文旦(ぶんたん)

 ミカン、オレンジ、グレープフルーツ、伊予柑、ポンカン、ネーブルあたりまでは何とか形状が頭に浮かぶ。しかしデコポン、清見タンゴール、はるかなどとなると、もうさっぱり分からない。交配で次から次へと新品種が誕生する果実の世界。それでは、「文旦(ぶんたん)」はご存知か。

 過日、高知県から宅配便で届いたのは「土佐文旦」。知人の出身地。「高知県で育った品種であり、南国土佐の暖かい気候と澄み切った照りつける太陽光線をいっぱいに受けて、美しい自然の中で育った果実です。黄色の光沢ある果皮、独特の香り、お召上がりの際の果肉の爽やかな口ざわり、上品な果糖の甘さ、この一段と秀でた風味は春より初夏にかけて、他の果実の追従を許しません」(高知ふるさと農園=高知県吾川郡伊野町小野173)

 見目形はグレープフルーツに似ているが、味も香りも似て非なるもの。調べてみたが、文旦はどうやら、マレー半島からインドネシア辺りが原産のミカン科の常緑高木「ざぼん」の1品種のようだ。「ざぼん漬」は食べたことがあるが、「ざぼん」そのものを口にした記憶はない。なぜだろう。高知、鹿児島、熊本、宮崎県などでいろんな品種が栽培されているが、「土佐文旦」はこのうち、高知県土佐市を中心に生産されている品種だ。

 皮のむき方にコツがいる。要領に従ってむくと、一ふさづつ、果肉がきれいに剥がれる。皮はママレードにする。栄養面では血液を浄化し、血管を強くするビタミンCやビタミンP、ミネラルを多く含んでおり、高血圧の薬にもなるとか。いやはや、健康に良いものは何でも試さなくっちゃ。それでお腹が痛くなったりして・・・。

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