海外移住資料館

 「日本人の海外移住は100年以上の歴史をかさねてきました。現在、海外で生活する移住者やその子孫の数は250万人となり、ここ10数年、就労や勉学を目的に約30万人の日系人とその家族が来日し生活しています」

 こうした海外移住の歴史および移住者と日系人の現在の姿を展示しているのが独立行政法人、国際協力機構(JICA)の海外移住資料館(神奈川県横浜市中区新港2丁目3番1号)。東急みなとみらい線みなとみらい駅、あるいは馬車道駅から歩いて10分。

 海外移住の歴史や移住者の現地での暮らしぶりなどについて、趣向を凝らした展示が行われており、海外移住について多角的に知ることができる貴重なスペースだ。

 ペルー移民について調べに出掛けたクリスマスイブは企画展「広島はどうして海外移住者が多いの?」が開催されていた。

・明治政府が推進した海外殖民事業の先駆けとなったハワイ官約移民(1885年)に最も多く応じたのが山口県の420人、次いで広島県の222人。サトウキビ耕地の仕事に就いた。これが好評で、実績を積んでいく。

・この先例が北米、南米へと広島県民の海外移住に拍車を掛ける。ハワイ側も山口、広島を特定した募集を要請。実績が故郷に伝わり、親族を呼び、村の移住熱を高め、さらに移住を呼ぶ。広島は全国一の移住者11万人の「移民王国」になる。これに楽天的で穏健な県民性などの要因も加わった。

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