ロイド・ジョージ・マネージメントが日本法人開設

外資系投資会社がどんどん日本市場に入ってきている。日本経済がデフレから脱却し、本格的な投資機会がやってきた、との判断からだ。機を見るに敏な外資だから、もちろん逃げ足も速く、諸手を挙げて歓迎というわけにはいかないにしても、海の外の世界が日本をどのように見ているかを知る上では、彼らの動向を知ることは大いに参考になるはずだ。

 昨年11月7日付で日本法人「ロイド・ジョージ・マネージメント・ジャパン」(高井正彦社長)を設立し、今年1月から正式に業務を開始したのがロイド・ジョージ・マネージメント(本社香港、ロバート・ロイド・ジョージ会長兼CEO)。

 ロイド・ジョージ・マネージメントはロバート・ロイド・ジョージ氏が1991年に香港で設立したインド、中国に特化した株式投資ファンド。今回、「日本のファンダメンタルは変化し、新しい成長の時代に入った」(ロイド・ジョージCEO)として日本株投資を開始したものだ。

 同ファンドはインド、中国などのアジア諸国のほか、ロシア、ブラジルなど新興成長市場で、約120億ドル(約1兆3000億円)の資産を運用している。資産運用を委託しているのは欧州、米国、中東などの機関投資家や政府系投資家などだ。

 日本法人開設記念パーティーが開かれたのが香港系進出高級ホテル「マンダリン・オリエンタル東京」(東京都中央区日本橋室町2-1-1)3階の「リンデン」。100人ほど入れるパーティー会場だが、日系、外資系などさまざまなファンド関係者でぎっしり。

 英国の元首相を務めたデービッド・ロイド・ジョージ(1863-1945)家の末裔だというロバート・ロイド・ジョージ氏に、この日、堀江社長が逮捕されたライブドア問題について訊ねたら、「みんなそのことを聞くけど、何も知らないんだ。でもその問題の影響は個別的な問題で、日本経済の成長力には影響はない」ときっぱり。

 「マンダリン・オリエンタル東京」が30-38階に入る日本橋三井タワー。実は本当のお目当てはこのビル。三越本店、隣がギリシャ建築様式の三井本館、その隣にあったのが「千疋屋フルーツパーラー」だったが、その跡地にいつの間にか、超高層タワーが建っていた。

 新宿、大手町、汐留、丸の内、品川、それに日本橋と東京の変貌ぶりは驚異的だ。株式投資ファンドよりも早く、不動産投資ファンドはとっくの昔に対日投資に取り組んでいる。オイルマネーを中心に、世界には過剰流動性が有望な投資先を求めて回流している。日本は格好のターゲットなのだろう。”マネー敗戦”の二の舞にならないことを祈るばかりだ。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.