大激流の司法制度改革

 大激流の真っ只中にあるのが日本の司法制度改革。第1弾が5月19-23日に法科大学院の修了者を対象に行われた初の新司法試験であり、第2弾は10月に開業する日本司法支援センター、そして最後は3年後の2009年5月までに実施される「裁判員制度」の導入だ。

 司法の世界はこれまで法律のプロだけが関与する特殊な世界だった。検察官も裁判官も専門家で、その中で裁かれるのは法律の素人である国民一般というのが通常の構図。「裁判員制度」の導入はその異常な世界に国民が入ってくることを意味する。

 考えて見れば、これは大変な話だ。大変な話ではあるものの、当たり前のことでもある。むしろ、これまでが普通じゃなかっただけだ。専門家が大きな顔をしていて、裁かれるほうは肩身が狭かった。犯罪を犯した、あるいは訴えられた立場だから当然だとあきらめていた。

 ところが、これからはそうでなくなる。専門的な法律知識や法技術論の戦いの場であった法廷が、法律の門外漢も交えた場に変化する。やさしい言葉や十分な説明が必要だ。法律用語は分からないほうが悪いのではなく、悪いのはむしろ、一般人が理解できないような専門用語しか使えない法律家のほうだ。

 22日夜、ニューオータニ神戸ハーバーランドで開かれた2006年度兵庫県弁護士会のパーティー。検察、裁判所、弁護士の県内の法曹関係者が一堂に集まった。竹本昌弘会長ら新役員や林醇神戸地方裁判所長、井戸敏三知事、麻田光広日本司法支援センター兵庫地方事務所長氏などのあいさつを聞きながら、司法制度を少し考えた一晩だった。

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