手打うどん「よど」

 雨の中、JR鷹取駅から新長田に向かう途中でふらりと入ったのが手打うどん「よど」(神戸市須磨区大池町2-3-7)。板戸を横に開けて入る小さな店だが、お昼どきだったこともあって、混んでいた。頼んだのはうどん定食。

 きつねうどんと炊き込みご飯、おしんこ、それにデザートのバナナが半切れ付いていた。これで650円。うどんは好きで結構食べているが、手打だけに腰が強く、うまい。刻みネギをたっぷり入れていただいた。炊き込みご飯は味が少し濃いが、これだけしっかりした味はあまりない。

 そば屋がうどん屋を兼ねる店が多い中で、流石関西。正真正銘のうどん屋だった。うどん屋らしいうどん屋に遭えた気がして、とても嬉しかった。70歳絡みのおじさんが黙々とうどんを茹で、味を調え、盛り付けていく。それをカウンターで眺めながらいただくうどんはまた格別だ。

 店内至るところに張ってあるのが落語家の色紙や寄席の案内。「この街にお笑いを出前」と題した「第35回板宿寄席」のちらしだ。主催は「板宿寄席実行委員会」(事務局・よど)とある。それで合点が行った。

 店構えもいい。とにかく、板戸がいい。店が狭いのも気に入った。親父の職人技にも敬意を表したい。でも、親父が働けなくなったら、篠山の「角」みたいに店を畳むのだろうな。街を歩いていれば、こんな店にたまにぶつかる。これだから、街歩きはやめられない。

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