みなとこうべ海上花火大会

 こんなにしっかり花火を見たのは何10年ぶりだろうか。お尻は痛かったが、神戸港のコンクリートの上に座って50分間、約5000発の花火の競演に見入った。ほとんど関心の枠外にあったものも、場所が変われば、新鮮味が出てくるから不思議だ。やはり、人間、一カ所に長く住むのは宜しくない。

 あんまり、ころころと変えるのも問題だが、せめて10年くらいの周期で、定住地を変えるみるような生き方も悪くないのではないか。視点も変わるし、発想、着想にも変化が生じるに違いない。”デラシネ教”の教祖、作家の五木寛之氏が横浜-金沢-京都などと住処をいろいろ変えたことを覚えている。

 「第36回みなとこうべ海上花火大会」が開かれたのは8月5日(土)午後7時30分から8時20分まで。メリケンパーク沖合いの海上に浮かべた3隻の船から打ち上げられた。

 打ち上げ花火と仕掛け花火が交互に、ある時は織り交ぜて競演。打ち上げ花火が空高くで開花するのに対し、仕掛け花火は海上(地上)近くで花開く。直径300mの尺玉10連発も打ち上げられた。

 たかが花火である。もったいないと言えば、もったいない。あっという間に終わってしまうものに、かなりのお金を費やすことの是非もあるのだろうが、されど花火である。花火を見れば、今年の夏もしっかり目に焼きつくことができるのかもしれない。人は思い出がなければ、老後を生きられない。

 花火見物のあと、ぶるぶら自宅に戻ろうと倉庫街を歩いていたら、聞こえてきたのがバンド演奏。倉庫の一角で、ライブ演奏が繰り広げられていた。もちろん無料。枝豆と生ビールをやりながら、しばし鑑賞。こういう雰囲気のあるのが神戸の良さでもある。

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