生活協同組合コープこうべ第87期通常総代会

 生活協同組合コープこうべの第87期通常総代会が6月12日、神戸ポートピアホテルで開催された。 総代会後の理事会では野尻武敏理事長(82)が退き、後任に協同学苑副学苑長の桜井啓吉氏(74)が就くことを決めた。

 野尻氏は2001年就任。経営再生を生協運動の理念面から指導したといわれる。神戸大学経済学部長を務め、コープこうべの前身である灘神戸生協の理事でもあった学者。何度か、氏のあいさつを聞いたが、噛んで含めるような話ぶりは好感を持った。

 桜井新理事長は旧通産省出身。同生協生活科学研究所長も務めており、消費者問題に詳しい。実際の経営は組合長理事の今回留任する浅田克己氏が担っており、第二次経営再生計画(05-07年度)の仕上げに取り組む。

 コープこうべは組合員140万人と日本最大、世界最大。ダイエーなどの大型スーパーとの価格競争に敗北し、一時は店舗閉鎖など窮地に追い込まれたが、「安心・安全」を武器に再生のきっかけをつかみ、底固めを終えたところだ。

 問題はどこまで、その使命が消費者の支持を獲得できるかだ。「安全・安心」より「低価格」を望む消費者がいるのも事実。利便性や商業性を重視する消費者が増えているのも否定できない。とりわけ若年層に生協運動の理想を普及していくかが大きな課題だろう。

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