ICE、ウイニペグ商品取引所を傘下に

 米アトランタに本拠を置く電子取引所、インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)が活発に他の取引所買収に動いている。7月には世界最大の農産物市場であるシカゴ・ボード・オブ・トレード(CBOT)の買収を仕掛けたが、最終的にシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に敗退した。

 ICEが次に狙ったのがカナダのウィニペグ商品取引所(WCE)。1887年設立の農産物先物取引所で、飼料用小麦や菜種、大麦の先物・オプション取引を行っている。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)とうわさされる第3の応札者との間で買収合戦になっていたが、8月20日に買収価格を引き上げた。WCEは同22日の株主投票で、売却を決定した。買収額は5000万カナダドル(約54億円)。

 ICEは今年1月、ニューヨーク・ボード・オブ・トレード(NYBOT)を18億ドルで取得、コーヒー、ココア、凝縮凍結オレンジジュースなどの農産物市場を傘下に収めるなど世界の先物市場での影響力を高めている。

 ICEはロンドン国際石油取引所(IPE)を買収してICEフューチャーズを設立。欧州における石油取引の中核市場としての地位を築いている。米最大のエネルギー市場NYMEXとの競争も激化しており、注目すべき存在だ。

 新しいエネルギー「エタノール」はトウモロコシを原料に生産されることから、エネルギーと農作物との連関性が高まっている。相場もその連動性に注目が集まっている。農作物、エネルギーというこれまで関連性のなかったものにつながりが出てきたことは面白い。

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