薬師寺
奈良県の史跡は散在している。奈良市内(東大寺、興福寺)の中心部からかなり離れた近鉄橿原線「西ノ京」駅の近くにあるのが薬師寺(奈良市西ノ京町457)。法相宗(ほっそうしゅう)大本山。天武天皇により発願(680)、持統天皇によって本尊開眼(697)、さらに文武天皇の御代に飛鳥の地において堂宇の完成をみた。その後、平城遷都(710)に伴い、現在地に移された。
金堂を挟んで東西両塔を有する。金堂には薬師如来、日光菩薩、月光菩薩の合わせて「薬師三尊像」(国宝・白鳳時代)が安置されているはずだが、この日は東京に出張中で不在だった。金堂内ではちょうど僧侶による説教中。「奈良の僧侶は目出度いところには出て行くが、お葬式には出ない。奈良の寺は仏教を学ぶ国立大学みたいなところ。檀家もいないし、お墓もない。日本の伝統文化を伝えていく伝統が貫かれている」という。
大唐西域壁画殿は平山郁夫画伯が30年の歳月をかけ完成させた玄奘三蔵求法の精神を描いた壁画が展示されている。