不忍池・蓮池

 国立科学博物館に行く途中にたまたま遭遇したのが不忍池。そういえば、大学入試で泊まったのはすぐそばのビジネスホテル「法華クラブ」だった。見渡せど、もちろん姿なし。40年以上も前のことだから当然だろう。それでも「東天紅」は今も健在。えらい。

 不忍池は何と池全体が蓮、蓮、蓮。水面は何も見えない。こんな立派な蓮を見たのは初めて。夏に来なければ見られない。偶然とは恐ろしいものだ。動き回っていると、こういう僥倖にもぶつかる。動くことが重要だ。

 不忍池は周囲約2km、全体で110万㎡。中央に弁天島(中之島)を配し、遊歩のための堤で蓮池、ボート池、鵜の池の3つの部分に分かれている。蓮池は半分の55万㎡を占める。江戸の町民の楽しみは春は桜見物、夏は蓮見物だったとか。蓮は縁起が良く、根っこの蓮根を炊き込んだ蓮飯も人気があったという。

 「不忍池由来」によれば、「天正18年(1590年)徳川家康が江戸城に入城。天海僧正のアドバイスを取り入れた家康が、徳川家の強固な守りと天下が長く続くことを祈念し、『守り固め』」として江戸城の表鬼門(東北)にあたる上野の山を比叡山に見立てて東叡山寛永寺(天台宗)を創建、不忍池を琵琶湖に見立てて造成し池の中に琵琶湖の竹生島より大弁才天を勧請して弁天島を築いた。以来不忍池は寛永寺の管轄する聖地であるとともに江戸第一の蓮池として賛美され名所となった」。

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