地蔵院のしだれ桜

①正面から

②後ろから

③地面に着くほどに

 連休の中日。ポカポカ陽気で、明日は天気が崩れ、お出かけするならこの日しかないと声高に言われれば、出掛けるしかあるまい。桜にはまだ早いと思いつつ、車を川越街道に走らせた。ふじみ野市(埼玉県)辺りで目に飛び込んできたのがこぶしの大木。近くで見ようと車を路地に入れたら目にしたのがこのしだれ桜。

 羅陀山地蔵院薬王寺は真言宗智山派の古刹(ふじみ野市亀久保3-11-1)。鎌倉時代の創建と伝えられる。しだれ桜の寿命は300年前後といわれており、このしだれ桜も近年、樹勢にやや衰えが見られるようになったため平成10年(1998)に樹勢回復の措置が取られたという。

 春の彼岸に花を咲かせる江戸彼岸桜の変種で、樹齢は360年前後(江戸時代中頃)と推定される。樹齢2000年といわれる日本最古・最大の巨樹「山高神代桜」(山梨県北杜市)や1500年の「根尾谷淡墨桜」(岐阜県本巣市)、1000年の「三春滝桜」などには適わないが、それでも350年は立派である。

 観光客がどっと押し寄せるよりも、近所のおじさんが「さて、今年はもう咲いたかな」とつぶやきながら、自転車で気軽にのぞきにくるような桜がいい。境内もこじんまりしていて、表から裏から位置を自由に変えながら、そばまで寄って、心おきなく愛でることができた。それも偶然に。すばらしいではないか。

樹高        6.3m
目通り周囲    2.7m
根回り周囲    3.9m
枝張り(西側)  7.5m

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