『資本主義はなぜ自壊したのか』

 本を読む時間が増えている。読み終える冊数が多くなった。なぜかとちょっと考えたら、すぐ分かった。定年後もフルタイム勤務を続けているので仕事にとられる時間は減っていないが、残業がなくなった。この時間が馬鹿にならない。

 少なくても月50時間、多いときは70-80時間の残業は当たり前の時期が続いた。それも何年もである。残業はみっちり仕事である。残業にカウントされない消費時間も少なくない。いわゆる付き合いだ。社外人脈との付き合いはともかく、社内との付き合いがほぼなくなったことの効用が大である。

 サラリーマンならだれしも、無駄だと思いつつも、無視できないのが社内の付き合い。これに投入する時間、神経、お金は半端じゃない。必要悪という奴だ。第一線を退いてみて、この付き合いがなくなるというのは逆に寂しいものではある。その分、外との付き合いを活発化させればいいようなものの、付き合いは仕事が絡むものなので、それも尻すぼみ状態だ。これが普通だ。

 前置きがものすごく長くなったが、本書の著者は中谷巌氏。市場経済推進派から市場経済否定派に180度宗旨替えした人物の”懺悔の書”として脚光を浴びている。副題「日本再生への提言」。

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