真山仁著『マグマ』

ご存知、企業買収の世界を描いた『ハゲタカ』で真山仁としては2004年に初デビュー。『マグマ』は2005年秋から冬にかけて「小説トリッパー」に連載、それを大幅加筆修正し、2006年2月に単行本化された。朝日新聞社。
地熱発電を扱った経済小説で、馴染みの薄い世界をしっかり書いているのも流石だが、地熱発電を研究運営する会社の再建を委ねられた外資系ファンドの1ファンドマネジャーで、弱冠29歳の野上妙子を中心に繰り広げられる地熱発電賛歌。
ストーリーはともかく、この野上妙子が滅法すごいのだ。ストーリーが展開していく中で、したたかに成長していくのだ。しかも、志が熱い。へこたれない。男顔負けである。痛快だった。