『新橋有薫酒蔵』+「ハイボール酒場」

  新橋の九州郷土料理の店『有薫酒蔵』で2人同窓会を開いた。「高校よせがきノート」で有名な店だ。全国47都道府県の1454冊(2010年7月15日現在)のノートがずらっと並んでいるのはちょっと壮観である。このノートを開くのは意外と楽しみだ。歳を取るに従って、人間は思い出を食べて生きるからなおさらである。

 おかみの松永洋子さんが書くブログによると、お客から「母校のノートを置いてほしい」と頼まれたのがきっかけで、1987年7月4日に「福岡県久留米大学附設高等学校」のノートを置いた。その後、いつの間にか増えていったという。継続は力だ。

 高校の総数は5300校ほどあるそうだから、3割ほどの高校の卒業生がこの店を訪れたことになる。大変なことだ。おかみはこの日、「高知県が2校ともっとも少ないが、どうやら高知の人は東京ではなくて、大阪に行かれる方が多いからかもしれない」と言っていた。

 同窓会を終えて地下1階から地上に上がると、目の前の「築地銀だこハイボール酒場」に入った。酒場と言っても、立ち呑みスタイルの店で、築地銀だこが2009年5月から展開し始めた新業態だ。新橋店は同6月オープン。昨年末も有薫→酒場のコースをたどったことをお思い出した。

 ザ・角ハイボール(350円)+たこ焼き(8個入り500円)。皮はパリッ、中はトロッ、たこはプリッとした触感は、「日本一、世界NO1のたこ焼きを目指す」だけのことはある。事業主体のホットランド(本社・群馬県桐生市)は平成3年(1991)創業。今や国内300店舗、海外にも展開する成長企業。たかがたこ焼き、されどたこ焼きである。

 ちなみに「ハイボール」が人気である。要はウィスキーのソーダー割り。もちろん仕掛け人がいて、人気商品にしたわけだが、時代の雰囲気とニーズにマッチした。「取りあえずビール」で酔い、もっと酔いたい場合にそれまで飲んでいた「チュウハイ」をやめて、「安くかつオシャレに」飲める「ハイボール」に切り替えさせた。

 見事としか言いようがない。サントリーもすごいが、それをすぐさま、新業態に反映させた銀だこもすごい。たこ焼きとハイボールの取り合わせは絶妙である。幸せな夜だった。

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