千曲川@小諸城址・懐古園
友人の山荘で一泊した翌日は群馬県との県境に広がるもう1つの高原地帯に向かった。その途中にあるのが長野県小諸市。島崎藤村が小諸に7年間住んでいたときに、有名な「小諸なる古城のほとり・・・」の作品を書いたのはさすが知っていた。
黙って通り過ぎるわけにはいかない。藤村の小諸時代の作品、資料などが展示されている藤村記念館や郷土資料館などが小諸城址・懐古園の中に立地していた。小諸城の築城は1554年(天文23年)。武田信玄が命じたとされる。石垣が残っているだけだ。
園内の千曲川を望む展望台近くには藤村の詩碑が建立されている。詩心はないが、受験勉強で覚えた冒頭の部分だけが今でも口をついて出てくる。忘れないのだ。
小諸なる古城のほとり
雲白く遊子(ゆうし)悲しむ
緑なすはこべは萌えず
若草も籍(し)くによしなし
しろがねの衾(ふすま)の岡辺(おかべ)
日に溶けて淡雪流る
千曲川はドライブの途中からも眺めた。しかし、懐古園の水の手展望台から眺める景色は格別だ。千曲川は信濃川水系。写真の右手にダムができていた。小諸城址の城壁で大きく蛇行する地形を利用して、調整池と発電所が建設されているという。