朝鮮半島激震!

    (BS朝日『激論!クロスファイア』、右=田母神俊雄元航空幕僚長)
 
北朝鮮による韓国・延坪島(ヨンピョン)砲撃事件を受け、朝鮮半島を取り巻く情勢が一気に緊迫度を増している。同島のある黄海では28日から12月1日までの4日間、米韓両国が合同軍事演習を実施することになっており、これに反発した北朝鮮側は挑発的言動を繰り返している。何が起こるか分からない。不気味だ。

 北の南への挑発は、多少の武力行使をしても、有事の作戦統制権(指揮権)は在韓米軍司令官が保持しており、韓国軍が北への対抗策で取れる選択肢は限定的であると南側の足元を北側が見透かした上で行っている。韓国軍・政府に主体性はないのが実態だ。

 米軍が軍事行動に出る場合は、当然北の擁護者・中国との衝突を覚悟した上でのこととなり、米側はそれを回避したいし、中国側も望んでいない。南北朝鮮の対立は米中対決の構図を示しており、基本的には本格的な衝突には発展しないとの見方が一般的だ。27日のBS朝日『激論!クロスファイア』に出演した元航空幕僚長の田母神俊雄氏(たもがみ・としお)もそういう見方を示した。

 第二次世界大戦後だけでも世界の紛争・衝突・対立は数限りなく、あらゆる地域で起こっている。中東やボスニア・ヘルツェゴビナ、イラン問題、ソマリア内戦、イラクやアフガニスタンなどなど。正に紛争・戦争の歴史である。

 日本から遠く離れた地域での紛争はリアルタイムで映像的にも直接飛び込んでくるものの、地理的に離れていることもあって、対岸の火事のような気分なのは否定できない。アジア地域でも目と鼻の先の朝鮮半島できな臭い動きがあっても、なかなか自分の問題として捉えられない面もあった。平和ボケしているからだ。

 安全保障論議は重大な問題だという認識はあっても、自分の問題として真剣に考えるまでには至らなかった。国の問題であり、政治家が考えるべき問題だと程度だった。高をくくっていたのだろう。しかし、もうそういう状況ではないことがようやっと分かってきた。遅きに失したと言われればその通りだが、これが事実だ。

 しかし、今や状況は一変したように思う。すっかり様変わりした。ここへきて、あらゆるものが流動化してきた。日本を取り巻く状況も、世界の流れも、個人の生活環境そのものも動きだした。厳しく、激しく、なおかつ重く動き始めた。

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