『ソーシャルメディア革命』

書名:『ソーシャルメディア革命』 「ソーシャル」の波が「マス」を呑み込む日
著者:立入勝義(ブログ作家、ソーシャルメディア・プロデューサー)
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン

 インターネットが日本国内に本格普及し始めたのは1995年と言われる。それから16年。ネットはもはや完全に社会インフラとなった。3.11東日本大震災でも固定電話・携帯電話がつながりにくい中で、ツイッター、ミクシィ、フェイスブックなど、登場して間もない「ソーシャルメディア」(ユーザー参加型メディア)が災害時の情報ツールとして予想以上に活躍した。

 メディアと言えば、これまでは「マスメディア」とほぼ同義語だった。私なども駆け出しのころは「通信社記者」「新聞記者」「マスコミ関係者」と呼ばれたが、最近では「メディアの人」と言われるほうが多い。メディアとなると、活字媒体だけでなく、映像なども入るので、より対象が広い。

 2000年代に入って新たに登場してきたのが「ソーシャルメディア」。確定的な定義はないが、ウィキペディアでは「誰もが参加できるスケーラブルな情報発信技術を用いて、社会的インタラクション(相互作用)を通じて広がっていくように設計されたメディア」としている。

 著者の定義は「主にインターネットをインフラとして、人間どうしが相互に作用しあうことによって広がっていくメディアであり、情報発信の主体はこれまでのように大手ではなく個人」。マスメディアと決定的に異なるとして著者が指摘するのは以下の点だ。

①ソーシャルメディア・ツールへのアクセスは、(従来に比べ)はるかに安いコスト、あるいは無料で可能
②ソーシャルメディアへの参画には特別な技術や訓練を要求されない
③情報の更新はソーシャルメディアのほうが(少なくても現時点では)圧倒的に速い
④従来のメディアコンテンツは一度発信されると改変不可能だが、ソーシャルメディアでは随時可能

 要するに、マスメディアと対極に位置するのがソーシャルメディアということになる。著者はソーシャルメディアの特徴をマスメディアとの比較で以下のようにとらえている。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

東京日誌Ⅱ

Previous article

モクレン