ツツジ

 3.11以降、日本国内は地震と原発一色だが、余震は今なお続くものの、季節はきちんと巡ってきて、今や春本番。関東甲信と東海地方は27日、平年よりそれぞれ2週間ほど早く梅雨入りした。晴れて気温が上昇すると、陽気は初夏だ。

 花屋さんの店先やホームセンターの園芸売り場には見たこともない西洋品種が咲き競っている。あまりにも馴染みが深く、ありふれていて考えたこともなかったが、やはり「ツツジ(躑躅)」は春を代表する花。公園や道路の分離帯など植え込みの定番だ。

 HP「小さな園芸館」によると、シャクナゲ(ツツジと区別するのは日本だけの習慣らしい)、サツキ(ツツジより遅く6月に咲くのでサツキと呼ばれていたようだが、最近は天候不順で怪しくなってきている)、アザレア(西洋ツツジ=欧米で品種改良されたタイプ)も要はツツジ属。

 原産地は日本や中国、北米。最も古いものは樹齢1000年近いものも存在するらしい。万葉集にも詠われるなど日本人の生活にもしっかり根を張っている花だ。雨に濡れたツツジの赤は目にも鮮やか。

山越えて
遠津(とほつ)の浜の
岩つつじ
わが来るまでに
含(ふふ)みてあり待て

万葉集 作者不明

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