手絞り甲州白ワイン

甲州白ワイン@新宿西口

 

都会の面白いところは、面白いモノやヒト、ぎょっとしたりはっとするような出来事、ずっと気になっていた情報などと遭遇・入手・体験・確認できるチャンスが限りなく多いことではないか。仕掛けるほうもそれが狙いで、集まってくる人の群れに対して、あの手この手の仕掛けを繰り出してくる。

背後には思惑が潜んでいるので、リスクも潜在しているものの、それを含めた状況・情勢に飛び込んでいく覚悟さえあれば、結構楽しい。これがたまたま偶然通りかかったり、ぶつかったりする出会いの醍醐味だ。

こんなに難しく考える必要はない。都会はとにかく楽しい。26日夕通りかかった新宿西口イベントコーナーでは山梨県物産展「甲斐の国マルシェ」をやっていた。山梨は最近、よくお世話になる。中央道で一宮町の桃を買ったり、笛吹市の遺跡博物館を見学した。

目に入ったのは「農家の手作りワイン」。1本2000円の値段設定なので「強気だね」と声を掛けると、「ぶどう農家が自分で飲むために作っているワインだよ。東京ではこれを扱う卸がいないから、私がこうして持ってこない限り、東京では飲めないよ。希少価値がまずひとつと、手絞りだし・・・」と言いながら、クーラーボックスから冷えた白ワインをグラスに、試飲にしては気前よく注いでくれた。これが実にうまかった。そして国産レーズンを1粒くれた。

試飲ではなく、しっかり飲む(27日)

 

ボトルにラベルが貼ってない。どこの、どんなワインなのか分からない。そう指摘したら、「農家が自分で飲むために造っているので、ラベルなんか貼らないよ。でもうまいよ」。どうやらこの人がぶどう栽培農家で有限会社ぶどうばたけ代表の三森斉氏(山梨県甲州市勝沼町菱山で江戸時代から農家を続ける三森家18代目後継者)らしい。来客用にムスカデ(仏ロワール地方ナント地区で多く栽培される白ワイン)を見つくろうと思っていた矢先だったので、この「菱山 甲州辛口 ぶどう酒 720ml」(税込1800円)に飛び付いた。ワインは蘊蓄を傾ける物語があるので楽しい。

ワインを造っているのは菱山中央醸造有限会社。有限会社ぶどうばたけでぶどうを栽培し、菱山中央醸造でワインを醸造しているわけだ。三森斉氏が醸造家として、分析・管理などの仕事もしているという。機械絞りが普通だから、手絞りとはとてもぜいたくだ。ぶどう酒蔵見学・試飲・購入もできる。

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