「開発コンサルタント」とは何か

第2回国際協力JOBセミナー(JICA市ヶ谷ビル国際会議場)

 

国際協力分野でキャリアパス(career path)を目指す大学生を対象としたjobセミナーに出席した。大学生ではなかったが、「開発コンサルタント」に興味があった。

援助の現場では政府系援助機関(JICA)、国際機関、NGOと並んで開発コンサルタントも主要なアクターだが、一般的にはほとんど知られていない存在だ。就活する学生の気分でセミナーを聞いた。

■社団法人「海外コンサルティング企業協会(ECFA)総務マネージャー・大塚一雄氏

・援助実施機関が発注するプロジェクトを競争を経て受注・契約し、実際に開発途上国で計画立案・設計、技術移転等の仕事を行うのが開発コンサルタント。プロジェクトの管理をJICAが行い、実際にプロジェクトを実施するのは開発コンサルタントだ。

・あらゆる分野で活動しているが、大別してエンジニアリング系(技術)と非エンジニアリング系(ソフト)の2分野。市場規模は900億円(平成23年度)。ODAが全体の9割を占める。インフラ中心で、地域的にはアジアが半分、次いでアフリカ。

・業界の労働市場は約2万5000人。シニアも活躍している。専門性がなければ仕事できないので、新卒の場合は自分の価値を証明できる「修士号」が必要だ。特に文系非エンジニアリング系は修士号はマスト。中途は専門分野での実務経験が重要だ。青年海外協力隊員経験者は開発コンサルの予備軍的存在だ。

■JICA地球環境部森林・自然環境保全第一課 谷口光太郎氏

・事業サイクル(案件発掘・形成→事前評価→実施準備→実施→実施終了→事後評価)は3-5年。プロジェクトは計画通り進まないので、モニタリングを通じた軌道修正が重要だ。

・事業の実施に関連する役務・サービスを求めて、高度な専門性が必要な業務を開発コンサルに発注する。開発コンサルを提出する成果物(報告書)を検査し、対価を支払う。

・専門家は長期と短期があり、長期は省庁からの派遣され、短期は大学の先生や公募する。

■日本工営 柴山知洋氏

・従事案件の運営・管理に関わるアドミニ業務(調達・労務管理・契約管理・会計・税務など)や専門家、対外とのコーディネーション業務の占める割合が高い。

・現在従事中のミャンマー・マングローブ総合管理計画プロジェクト(技術協力プロジェクト、2009-2013年)。

・コンサルは業務経験が必要。黒子的役割。

■JICA国際協力人材部国際協力人材センター課 田村えり子

・援助業界の労働規模は約2万5000人→入口は非常に狭き門

JICA関連             約1万7000人
開発コンサルティング企業       2500人
NGO(約500団体)           4000人
国際機関                  1000人

・その他・・・企業(CSR活動、BOPビジネス)、中央官庁、地方自治体、大学、民間財団、国際協力関係機関(JETRO、HIDAなど)

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