七五三の記念写真
初孫が3歳になった。あっという間のようでいて、実際は山有り谷有りの3年間だった。自分の子どものときは、そんなことをゆっくり考えるゆとりなどなかったが、孫になると客観的に眺める余裕も生まれてくるものだ。とにかく、責任を伴わないのが良い。
七五三の記念撮影に付いて行った。この日、孫が着たのは妻が娘時代に自分で着ていた着物。それをほどいて仕立て直した。2日徹夜して撮影日の当日朝に完成した。総絞りの着物だという。私にはその価値は分からないが、自分の着物を孫につないでいくのは感慨深い。時代がつながっていく。
記念にドレス姿も写真に収めた。3歳児は自分の好きなピンクのドレスを選んだ。こうなれば、なかなかなのレディーである。こんな場合、男の子は面白くも何ともない。やはり女の子である。しばしながらも、シンデレラになれる。夢を見ることができるのだ。男にない特権なのかもしれない。
近所の写真館には入れ替わり立ち替わり、いろんな人が訪れてくる。季節は春。入学、卒業の節目の時節だ。小学生や中学生、高校生、それにお爺ちゃんやお婆ちゃんを交えて家族で記念写真に収まっている。そこには普段とは少し違ったよそ行きの顔が写っている。そういう顔もたまにはいいものだ。