試写会『スタンリーのお弁当箱』

「お弁当から人生が見えてくる」

「お弁当から人生が見えてくる」

 

作品名:『スタンリーのお弁当箱』
原作・監督・脚本:アモール・グブテ
主演:パルソー2011年
2011年インド映画/96分
2013年6月18日@日本記者クラブ

インドでは年間1200本以上も映画作られることは有名だが、日本で上映されるのはほとんどが国産やアメリカ映画。インド映画を見る機会はまずない。英国に住んでいたときに、インド人の多いこともあってテレビで放映されるインド映画を何度か見たことがある程度だ。

本作品はシネスイッチ銀座と梅田ガーデンシネマで公開されるというから例外的だ。日本記者クラブで試写会があったので見た。やたらと踊りが多いのがインド映画だと思っていたら、最後のほうで踊りも出て来たが、基本的には普通の映画だった。

主人公のスタンリーは小学生。3年生ぐらいか。学校では周囲をいつも笑わせ、クラスの人気者だ。しかし、家庭の事情でお弁当を持ってくることができない。昼休み時間になるといつもひとりぼっちで、水道の水を飲んで空腹を我慢している。

先生にも友達にもお弁当を持って来れない理由を明かさない。そんな彼をくるむように守り、お弁当を分け与える級友たち。クラス担任のロージー先生も母親のように優しい。しかし、食い意地の張った太っちょの男性教諭がいつも、スタンリーのもらったお弁当を取り上げ、「お弁当を持ってこれない奴は学校に来る資格がない」とスタンリーを傷付ける。

子どもたちの笑顔と涙で胸がいっぱいになる映画だ。そんなスタンリーだが、友だちの友情に支えられて、ついに特大のお弁当を持ってくるようになる。

楽しい日も、つらい日も、お弁当には幸せが詰まっている。ハートフルなヒューマン映画に胸が揺さぶられた。

ちなみに、年間1200本を制作するインドはアメリカを上回る映画大国だと思っていたら、もっと上手がいた。ナイジェリアがそれだ。首都ラゴス周辺で2000本以上が作られているという。ただ1本の制作費は150万円ほどで、10日か1週間で1本撮って、映画館よりもビデオCDで見るのが一般的な鑑賞方法だとか。本数で比較しても意味が無い。

 

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