友人の死

壁面を覆うノウゼンカツラ

壁面を覆うノウゼンカツラ

 

日曜日の早朝、枕元の妻の携帯電話が鳴った。「妻が亡くなった」というご主人からの連絡だった。まだ60歳だった。何が何だか事情が飲み込めない。取るものも取りあえず、埼玉県所沢市の家に向かった。関越自動車道を使い40分ほどで着いた。

死因は急性大動脈解離。「3層構造を作っている大動脈のうち真ん中の層の膜(中膜)に、何らかのきっかけによって血流が入り込んでしまい、層構造が別々に剥がれていく(解離してしまう)疾患」(ウィキペディア)。

発症原因は不明だが、「高血圧」が危険因子だという。高血圧は私を含め多くの人が持っている。いつ、どこで発症してもおかしくない病気だ。

「 多くは発症時に胸部や背部の激しい痛みを伴います。まさに『引き裂かれるような』痛みと訴える患者さんもいます。また、解離の部位によりさまざまな臓器の合併症が引き起こされることがあり、多彩な症状を示します(心不全心筋梗塞意識障害腹痛下肢痛など)。原因は、臓器の血流障害です。このことが大動脈解離の診療において最も厄介で、そして神経を使う点でもあります。特に腹痛足の痛みが主な症状の場合、診断が遅れることもあります」(心臓血管外科最前線)。

群馬県昭和村の別荘地で夕食後に発症し、救急車で沼田市の病院に搬送されたものの、検査の段階で亡くなったという。発症から死亡までたった2時間ほどしかなかった。怖い病気だ。

2カ月前に高速道路を走行中の観光バスの運転手が突然意識を失い急死。乗客がブレーキを手で押さえ、バスを停止させたことがニュースになった。その運転手の死因は急性大動脈解離だった。

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