『生き方』

「不朽のロングセラー」だという

「不朽のロングセラー」だという

 

書名:『生き方』人間として一番大切なこと
著者:稲盛和夫(京セラ名誉会長)
出版社:サンマーク出版(2004年8月10日初版発行)

稲盛和夫氏は1932年鹿児島生まれ。59年に京都セラミック(現京セラ)を設立。また、84年には第二電電(現KDDI)を設立、会長に就任。日本航空(JAL)を再生した経営者としても傑出した人物だ。

本書はJAL”奇跡の再生”の礎となった実践哲学でもある。奥付を見ると、「2013年3月15日第86刷発行」とある。「不朽のロングセラー、刊行10年目で100万部突破!!」と赤字の帯。

経営者としての成功は何によるものか、を具体的に明らかにしたのが本書。どうも天邪鬼で、「ベストセラー」だと騒がれると、読む気がしなくなる。本書もそうだ。たまたま、近くのブックオフで目にしたので手を出した。出会いがなければ、ずっと読まなかったに違いない。

難しいことが書いてあるわけではない。しかし、簡単なことが一番難しいのかもしれない。稲盛氏は単純な原理原則を愚直にやり抜いた人物だ。やり抜いたら、それは平凡ではない。非凡だ。以下は氏の言葉だ。

●人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力

人生や仕事の成果は、3つの要素の”掛け算”によって得られるものであり、決して”足し算”ではない。

能力とは才能や知能、健康や運動神経など多分に先天的な資質。
熱意とは、事をなそうとする情熱や努力する心のこと。自分の意思でコントロールできる後天的な要素。
考え方とは心のあり方や生きる姿勢、哲学、理念、思想など。マイナスポイントがある。これが一番重要だ。

●人生は心に描いたとおりになる、強く思ったことが現象となって現れてくる。これは人生の数々の体験から確信するに至った絶対法則だ。よって、純粋できれいな心を持つことが人間としての生き方を考える上で大前提となる。

●人生はその人の考えた所産。自らの人生経験から、「心が呼ばないものが自分に近づいてくるはずがない」ということを、信念として強く抱いている。実現の射程内に呼び寄せられるのは自分の心が求めたものだけであり、まず思わなければ、かなうはずのこともかなわない。

「まず思うこと」が大切だ。ただし願望を成就につなげるためには、並みに思ったのではダメ。「すさまじく思う」ことが大切。強烈な願望として、寝ても覚めても46時中そのことを思い続け、考え抜く。ひたむきに強く一筋に思うこと。そのことが、物事を成就させる原動力となる。

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