越後へぎそば『弥彦』

自在鈎があるテーブル

越後へぎそば

 

自在鈎をつるした店内

自在鈎をつるした店内

 

お墓参りのあと、甲州街道を八王子方向に少し走ったところに見つけたのが越後そば「弥彦」(やひこ、八王子市平岡町)。古民家を移築した建物で、店構えも水車を配し、店内も吹き抜けで、なかなかの雰囲気を醸し出していた。

へぎそばを頼んだが、出て来たのは上の写真。これまで食べたへぎそばは一口サイズのそばを盛った形だが、ここのは入れ物が木製で時代を感じさせるものの、盛り方はおおざっぱ。どうも「まがい物」臭かった。

越後そばは「ふのり」(海藻)を練り込んだのが特徴で、このそばも確かにシコシコとした食感があったが、そばの香りはほとんどしなかった。好き好きかもしれないが、どうもそばを食べているというより、海藻を食べている感じがした。

弥彦神社(新潟県西蒲原郡弥彦村)は新潟県内最大のパワースポットらしい。村営競馬場があったり、温泉が出たり、弥彦山があったり、神社建築を模した珍しい駅舎の弥彦駅(JR弥彦線)があったりと、「弥彦」はビッグネームのようだ。

それで店を営業する会社も越後と深い関わり、こだわりがあるのだろうと思ったら、単に八王子市を中心にそばやラーメンなどの外食事業や病院や私学で給食事業を営む「株式会社アーバン」(同市)がその弥彦の名前を使っているにすぎなかったことを知って、かなりがっかりした。

「越後そば弥彦」の開店は2005年。ビジネスなので、何をどう利用しようと構わないが、たかが「そば」とはいえ、そこに物語の不在を付き付けられた思いだった。要は借り物だった。

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