丹波のコロッケ

 

大きつねうどん

大きつねうどん(薬草薬樹公園リフレッシュ館「おときや」)

 

真っ赤に紅葉したもみじが映える

真っ赤に紅葉したもみじが映えるコロッケ(同おときや)

 

丹波地方は昼頃になって雨になった。山口県への出張の帰途、兵庫県の実家に寄り道した。親戚や自宅近くの地縁者、さらには小学校の同級生などに不幸があって、お悔やみに行く必要があった。

隣町の親戚にお供えとご香料を持って訪問した。90過ぎていたから大往生。養子にきた父方の実家で、小さいときにはよく遊びに行った。ずいぶんお世話になった。

倒れて1週間で亡くなった。直前まで農作業に精出していたという。苦しむこともさほどなく、病院に運ばれて10日ほどで亡くなったとか。そういう死に方は本人にとっても残された家族にとってもまだ幸いだ。

同じ部落の同級生の場合は違う。自営の雑貨店を夫婦で営んでいた。子どもはいなかった。医者の最初の診立ては風邪だったという。しかし、本当は肝臓ガンだった。それが分かったときは手遅れで、あっという間に亡くなったという。

誤診で対応が遅れたのが致命的だった。5月の連休にビールを運んでくれたのは彼ではなく、奥さんだった。昔はたばこの売り上げが町内1位だったときもあったが、最近は配達の比重が高かったという。腰に来ていたはずだ。そう言えば、集金にきたときに体調が良くないと聞いたことがある。

近所でも不幸が2件あった。うち1件は戦後ずっと、小作をしてもらっていた家だ。木苗の栽培などで功績のあった人で、夫人によると、体調が悪くなっても「木苗の出荷に多忙な時期に病院なんか行っておれない」と抗弁して、病院を忌避していたという。

健康より仕事を優先する人はいる。よほどのことがない限り、健康を後回しにし、仕事優先主義を貫く。そのとばっちりは必ずあとでやってくる。そして本人が痛い目に遭うという寸法だ。世の中、帳尻が合っているものだとこの頃はしきりに考える。

お寺にも寄らなければならなかった。年末のお歳暮を持っていくのが決まりだ。強制ではないらしいことが最近になって分かったが、どうもすぐには止められない。気持ちの問題もある。

高齢の住職に代わって副住職に会って、来年5月に行う母親の1周忌の日程を決めた。最近はお寺さんも忙しい。かなり前から予定を押さえておかなければならないのだ。

お墓の問題もあるし、お寺との付き合いは重要だ。果たしていつまでお付き合いをできるかの問題もあるが、おろそかにできない存在だ。

忙中閑で、昼間に立ち寄ったのが丹波市立薬草薬樹公園リフレッシュ館(丹波市山南町和田)。生薬配合のお風呂には何度も浸かっている。外は雨。そんな日中にお風呂に浸かるのはいいものだ。

2階にあるのがお食事処「おときや」。ここでいただく薬膳料理はちょっとしたものだが、この日はきつねうどんとコロッケを食べた。揚げ立てで熱々のコロッケのかたわらにモミジの葉っぱが添えられていた。これだけで料理がぐんと引き立つ。洗練された京料理に引けをとらない。

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