「うなぎ双葉」

食べ始めてから写真を撮るなんて・・・

食べ始めてから写真を撮るなんて・・・(うなぎ双葉@新宿・京王モール店)

 

1年ぶりに会社の元同僚2人と新宿で懇談した。大江戸線の深い、深い地下ホーム階から改札階までエレベーターを2基乗り継いで改札を出た。待ち合わせ場所は西口地下コンコースにある交番前だった。

かなり歩かなければならないものの、足に問題がないときはどおってこともなかった。京王モールを通り、小田急モールも通過すれば、5分ぐらいで着けた。

ところがこの日は京王モールの途中で足が止まった。椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症で過去3カ月悩まされ続けている下肢のしびれはまだ続いているのに加えて、自宅で椅子の上から飛び降りた際にテレビの置き台に足首を引っ掛け、左足親指の爪を損傷した。

爪が鬱血したものの、1カ月ほど放置していた。特に痛みも感じなかった。しかし、2週間ほど前から痛みが出て来た。医者によると、「爪は完全に壊死した状態」。指を手で押すと痛い。痛いから歩くときは左足をかばう。指先も痛いし、変な歩き方をするので身体全体がねじれた格好で、歩くのが辛い。

それでも辛抱しながら歩く。外に出掛けたら、歩くしかない。後ろから来る人たちに次から次へと抜かれる。子どもにも抜かれる。拭かれても抜き返せない。悔しい。

ましてや走ることなんか夢のまた夢。普通に歩くことがこんなに大変なことなのか。車いすのひとたちがどんなに大変な苦労をしていることか。自分がその立場になってみて初めて、その人の気持ちが分かるものだ。健常者に病人の気持ちは分からないことをあらためて思い知った。

もう歩けないと足が止まったのがこのうなぎ屋の前だった。「うなぎ双葉」京王モール店。歌舞伎町のスポーツクラブに通っていたときはほぼ毎日のように前を通っていた。京王モールの雑踏の中にさりげなくある店。入ったことはなかった。

うどんやそば、スパゲッティー、ラーメン、立ち食いすし、ハンバーガーやファーストフードなどが並ぶ中で、価格帯も雰囲気もかなり違う店。外から中をうかがうと小上がりもあって、一度入ってみたい雰囲気だ。

のれんをくぐると、地下街の喧噪から別世界に入ったような静寂さが漂う。待ち合わせた2人を半ば強引にこの店に呼び寄せた。「60年継ぎ足しのタレで静岡の国内産うなぎを紀州備長炭で焼き上げた」うなぎを味わった。

冬のセット「竹」は3600円也。肝吸いと柚子大根付き。最近の値上がりでうなぎもなかなか口に入らなくなった。名店は数々あれど、この店はそんなに格式ばったところもなく、一見の客も粗略にしない。値段もリーズナブル。しばし、足の痛みも忘れた。小田急新宿店本館12階にも店がある。

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