あっという間に「日本モード」に
シンガポール-東京・羽田間の飛行時間は6時間30分だった。それでも予定より30分早く到着したことになる。中国の北京や上海、大連などと比較すると、長い飛行時間だ。
アジアはどこも地理的に考えれば、近いように思えるが、シンガポールやタイ、ジャカルタなどは結構遠い。アジアの中でもディープな地域だ。それでも飛行機に乗りさえすれば、暑い国から寒い国へ、あるいはその反対に、あっという間に空間移動できる。
移動すれば、空気も温度も、言葉も文化も違う。そこに住んでいる人の顔も肌の色も異なる。大変な違いである。外国へ行くということは大変なことなのかもしれない。大変なことのはずだ。
8時05分にシンガポールを出発し、東京・羽田着は16時05分。シンガポールのチャンギ空港には2時間前に着いていたから、長男の家を出たのは5時30過ぎだった。車で送ってもらった。20分で着いた。
夕方に羽田に着くと、3男が車で迎えに来てくれていた。自宅にトランクを入れて、すぐに近くの蕎麦屋に行った。ビールと板わさを頼んだ。天丼+そばセットを注文した。
あっという間に日本モードに切り替わった。あれだけたっぷりシンガポールモードに染まっていたのに、転換するのも早かった。特に特別なアプリケーションを使ったわけではない。ごく自然にモードが転換した。人間は実に優秀な変換装置を持っている。