群馬県庁
国立研究開発法人・農業生物資源研究所(茨城県つくば市)と群馬県の主催による第8回公開シンポジウム「カイコ産業の未来」―高機能シルクの実用生産に向けて―に参加するため群馬県前橋市に自腹出張した。
フリーランスだから自腹なのは当然だ。自腹だから、なるべく安上がりにするため電車で行った。会社持ちだったら、当然、大宮―高崎間は新幹線を使う。時間の節約になる。車で行くことも考えたが、大雪予報が出ていたので断念した。現地は雨だった。
東京練馬区の自宅から前橋まで3時間もかかった。往復6時間。新宿湘南ライン(大宮―新宿―大船)だから、せめて大宮以北は快速だと思っていたら、各駅停車だった。大宮以北は宇都宮と前橋まで直通運転が行われていた。埼玉県の市名には詳しくなるが、とにかく時間はかかった。
前橋に行く前も、帰ってからも初めてだと思っていたが、このブログを書いているうちに20年以上も前に1度行ったことがあることをひょいと思い出した。会社勤めで商品先物市場を担当していたとき、前橋乾繭取引所を訪れたことがあった。
群馬県は養蚕業が栄えた土地で、その関係でカイコが作った生のマユである生繭(せいけん)を熱処理により乾燥した乾繭(かんけん)の先物取引が1998年まで前橋で行われていた。同年に横浜生糸取引所と合併し、横浜で2004年まで取引が続けられた。しかし、その取引も終わった。
群馬県は生物研が2000年に開発に成功した遺伝子組み換えカイコを使って新たなカイコ産業の復活を目指しており、その成果を発表する公開シンポを毎年開催している。
県内では「富岡製糸場と絹産業遺産群」が14年に世界遺産に登録された。これらは過去の遺産だが、県は遺伝子組み換え技術を活用して新たなカイコ産業の育成に取り組んでいる。シンポも大変活気があった。