遠来の友
「船中八策」は坂本龍馬が起草させた新国家構想。慶応3年(1967)6月9日、龍馬は土佐藩船「夕顔丸」で長崎から京都に急ぐ旅の途上にあった。土佐藩参政後藤象二郎や海援隊士陸奥陽之助、長岡謙吉らが同乗していた。
一触即発の幕府と薩長の戦いを回避させる一大奇策「大政奉還」を徳川慶喜に提案するための急ぎ旅だった。天皇を戴いた民主政体の実現を目指す「船中八策」の提言こそ急ぎ旅の目的だった。そしてそれは実現する。
「キレ味抜群の超辛口『船中八策』を酌めば、貴方の夢が、貴方だけの『八策』が、きっと脳裏に浮かんでくることでしょう」と司牡丹のHP(高知県高岡郡佐川町)は書いている。
友の死に悲嘆に暮れていたら、北海道・小樽から遠来の友がやってきた。大学時代の下宿で一緒だった友で、どういうわけか40年以上も付き合いが続いている。
遠く離れて住むようになってからもう20年ほどになる。今でも年に1回電話で声を聞く程度。今回会ったのも10年ぶりくらい。それでも、昔の友とは会ったら、すぐに当時に戻れるから面白い。
お互い、歳は取った。しかし、心はまだ枯れてはいない。
最近、気に入っている南新宿の三是寿司(代々木2)で再会を祝した。
甲州街道から少し入ったところにある寿司屋だが、新宿という場所柄か、外国人観光客が多い。カウンターの中にいるおやじによると、「1日3組は来るよ」。この日も長い馬蹄形のカウンターに3組も座っていた。
人生は別れもあれば、再会もある。会ったり、別れたりの繰り返しだ。忙しい。