試写会『娘よ』
2014年/パキスタン・米国・ノルウェー映画
監督・脚本・プロデュース アフィア・ナサニエル
アッララキ=サミア・ムムターズ(舞台出身の名女優)
10歳の娘ザイナブ=サーレハ・アーレフ(スクリーンデビュー)
トラック運転手ソハイル=モヒブ・ミルザー(パキスタンNo1男優)
パキスタンとインド、中国の国境にそびえ立つカラコルム山脈。その麓には多くの部族がひしめき合っていた。そのうちの1つの部族に属する若く美しい母アッララキの生き甲斐は、10歳の娘ザイナブと過ごす時間だった。
だが、部族間でのトラブル解決のために、ザイナブと相手部族の長老との結婚が決められてしまう。アッララキの一番恐れていたことが現実となった。これで娘の人生は終わってしまう。自分が15歳の時に経験したのと同じように・・・。
決して抗うことのできない鉄の掟。掟に背く者には死が待つのみ。だが、意を決したアッララキは結婚式当日、娘を連れて部族を離脱。一方、対面と誇りを傷つけられた両部族は共同で2人の追跡を開始する。果たして2人の行方に待つものとは・・・。
カラコルム山脈を舞台に繰り広げられる逃避行を背景に、ときどき効果的な演出を見せるのがスマホ。昔ながらの部族間の対立を解消するのもスマホだし、トラック運転手ソハイルの動向を追う部族のトレーサーに連絡を可能にするにもスマホ。アッララキと母の住む大都市ラホールに連絡するのもスマホだ。
この時代、スマホ抜きではこの物語は存在しない。不思議な映画だ。