ブリを「国魚」に

 

ブリを国魚に制定するよう熱弁を振るうアプロジャパンの白石俊訓社長(23日、第19回ジャパン・インターナショナル・シーフードショーのセミナー会場)

 

世界の食用魚の50%以上は養殖魚。世界の魚介消費量は右肩上がりなのに対し、日本は落ち込んでいる。日本の水産業はEU、米国に次いで今や輸入大国第3位だ。築地には輸入魚が並び、日本の高級養殖魚は置かれていない。

日本の水産業が衰退したのは①魚の需要期の変化についていけなかった②世界の食品文化の季節感が変わった③サーモンやマグロに比べ、日本の養殖業者は「長期契約」ができない-などが理由だ。

わが国養殖業界が大規模化していく世界の養殖業界と戦うには、養殖魚のブランド化を進めるしかない。給餌について世界は生餌から環境負荷の小さい配合飼料への転換の流れにある。

今はモイストペレット(MP)が主流だが、ドライペレット(DP)やEP(Extruded pellet)に転換しつつある。中規模養殖業界の活路として、①品質による差別化②ロット数のまとめ③技術交流の勉強会④製品規格の統一⑤周年出荷できる養殖法の確立-などが必要だ。

東京五輪2020は世界200カ国が参加する一大イベント。日本の養殖魚を世界にアピールする絶好のチャンスでもある。海洋国家であるにもかかわらず、日本の国魚は制定されていない。ブリを国魚とすることで、水産業界の復活を祈りたい。

国花は桜と菊。国技は相撲だが、海洋立国ながら国魚は制定されていない。ブリは桜が満開になる頃、南太平洋で産卵したぶりっ子たちが流れ藻に守られながら黒潮に乗って日本列島を北上して北海道まで来る。

そして秋になると産卵のため日本列島を南下する。ブリは、「日本列島で住み続ける世界で日本しかいない魚」と言われている。「世界で日本近海にしかいない魚」(小学館WEB図鑑Z「日本の魚とはどのようなものか」(編・監修/中坊徹次京都大学名誉教授)だ。

マグロやサーモンは海外でも飲食できる。国を代表する魚と言えば、ブリ以外にはない。

 

秋ぶりを強調する

 

極上ぶり

 

極上アカバナ

 

☆夏場でも、良質の脂質が20%以上で魚臭がしない「極上秋ブリ」
☆夏場でも血合いの変色が少なく、マグロ赤身の20倍以上のDHA、EPAを蓄えた「極上秋ブリ」
☆天然カンパチの2倍以上の脂質を蓄えた「伝説のアカバナ」

アプロジャパンの白石俊訓社長は扶桑化学工業でリンゴ酸の国内市場を開拓し、35カ国を訪問して世界40カ国に販路を切り開いた。世界市場で50%のシェアを獲得するのに貢献し、社長・会長を務めた。2006年に退任し、2006年にアプロジャパンを設立。養殖魚用の高機能性栄養剤バイオサプリシリーズの製造販売に乗り出した。

同社の主力商品が養殖魚を太らすため、必要不可欠だった魚油を60%カットし、生餌MP(生魚+水分を含んだ固形飼料)に、大豆やトウモロコシなどの穀物や酵素分解物を主成分にした高機能サプリメント「ビタプレシリーズ」。

ビタプレシリーズを添加した飼料で育てた栽培養殖ブリは、魚臭がなく、寒ブリと同等の身質で、9月から選別して初出荷できる。

 

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