早稲田大学ジャーナリズム大学院設立10周年シンポジウム

 

「AIは記者にとって代わるか」シンポジウム第二部

 

イタリアからSkype参加のシッラ・アレッチさんの報告(第一部)

 

早稲田大学ジャーナリズム大学院(J-School)設立10周年シンポジウム「AIは記者にとってかわるか?」が12月17日、早稲田キャンパス大隈小講堂で開催された。AIがもたらす可能性、社会やジャーナリズムが抱えているジレンマについて白熱した議論が交わされた。

朝日新聞大阪本社社会部記者の矢吹孝文氏が自社で採用しているアドバンスト・メディア社(鈴木清幸社長)のディープラーニングを実装した音声文字化システム「AmiVoice」(アミボイス)を紹介した。

報道機関では取材映像や音声の確認・共有のため、取材後に書き起こしを行っているが、これが大きな業務負担になっているのが実態だ。これを解消するために映像音声の文字化に特化した音声認識システムを実現した。

アドバンスト・メディア社は月額基本料金3万5000円+月額1ライセンス2万円で今年11月6日から発売を開始した。

現段階では「タッチタイピングの早い記者」としての位置づけだが、朝日の社会部では「これがないとどうにもならない。昔には戻りたくないとみんなが言っている」という。

今後、話者の振り分け、要約、固有名詞や専門用語などの強化につながっていければとの声が現場では強いようだ。

シンポジウムの模様は画面分割し、アミボイスを活用しながら、行われた。議論の中身が画面の左手に大写しに展開されていった。

パネリストは津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)、平和博(朝日新聞IT専門記者)、畑仲哲雄(龍谷大学社会学部准教授)、久木田水生(名古屋大学大学院情報学研究科准教授)の4人。進行は田中幹人早稲田大学大学院情報学研究科准教授。

津田:早稲田で教えるきっかけになったのは早稲田小講堂で、J-スクールの前身だった。原点に戻った感じで、ひどく楽しみにしている。

平:昭和のジャーナリストという立ち位置で今日はやらしていただきたい。

畑仲:早稲田とはほとんど縁がなくて、呼んで頂いて光栄だ。かなり昭和な人間。古いタイプの新聞記者の育ち方については分かっている。議論に参加したい。

久木田:こういう立派なところに呼んでもらって光栄だ。

田中:今日のパネルでは「未来シナリオ」を提案してパネリストの反応を聞く手法を取りたい。

▇「ストレートニュースはAIが書く」新聞社の出現

平:コスト削減時代が続く。機械的な作業をAIが代替し、生産性を上げていくことは1つの手段になる。ただし、それだけだと競争力になっていかない。空いた時間をクリエイティブなものに生かしていく。決算記事にAIを導入したAP通信は20%削減を実現した。20%ルールをさまざまな分野で活用できる。

▇「無駄な意見」を削除するプラットフォームの出現

▇世の中の事象をデータ化して集め、正直に利用しうる良心的なビッグブラザー」社会の到来

 

 

 

会場の大隈小講堂に入るのは初めてだった

 

政治経済学部には巨大なビルが建っていた

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