黒瀬ぶり/近代支援の食縁ぶり

カテゴリー: 科学/技術/イノベーション, 食/食堂/レストラン

2017/12/30  19:44


 

これが「黒瀬ぶり」!

 

黒瀬ぶり

 

光が丘IMAの専門店街に魚屋は2軒ある。1軒は魚耕ホールディングス傘下魚耕(荻窪本店)の光が丘店、もう1軒は福岡県・博多に本社を持つ海星ムサシ(福岡市中央区)。魚耕は1951年(昭和26年)創業の4代目社長、海星ムサシは1994年(平成6年)創業だ。

魚耕は荻窪本店を中心として東京都、埼玉県、神奈川県に11店舗を展開、魚の正統派を名乗っている。海星ムサシは後発ながら全国展開し、鮮魚15店舗(精肉、惣菜、食品スーパーを含めると53店舗)を展開する大型店だ。

私は12月30日、初めて魚耕で活(かつ)じめ「黒瀬ぶり」を見た。日本水産が2004年1月に宮崎県串間市に設立した黒瀬水産による養殖ブリだ。これまでニッスイが培ってきた配合飼料の生産原料調達力や養殖魚に関する研究開発力を生かしたものだ。

ぶりの稚魚である体重2グラムの天然もじゃこを毎年4~5月ごろ、漁業者が捕獲し、志布志湾内の穏やかで清浄な海域に設けた専用養殖場で飼育した上で、秋になって1キロ前後に育った幼魚を湾内串間沖3キロの黒瀬漁場に移され、成魚になるまで育つ。これがニッスイのブランド商品である黒瀬ぶりだ。

一方で、黒瀬水産は2009年6月から夏向けに「黒瀬の若ぶり」の出荷を始めた。飼育した親魚から早期採卵した人工種苗技術をを活用した。これは光周期(昼と夜の長さの違い)や水温を操作できる水槽を使った研究で、これにより肉質の良い2歳魚がこれまでよりも1,2カ月早く水揚げできるようになった。

これまで冬が旬だったぶりの旬を夏にもっていくことを可能にした「黒瀬の若ぶり」を出荷できるようになった。これは画期的なことと思われる。

 

 

近畿大学支援による食縁ぶり

 

「食縁のブリ」は匂わないのが特徴で、魚嫌いの人にも食べてほしい新しい味だという

 

海星ムサシの陳列棚では近畿大学支援による食縁ぶりが売られていた。近大(大阪府東大阪市)は世界で初めてクロマグロ「近大マグロ」の完全養殖に成功したことで有名だが、同校の誇る養殖技術でマグロに次いで乗り出したのが完全養殖ぶりの生産だ。

株式会社「食縁」(社長は近大の有路昌彦教授、和歌山県新宮市)はブリを中心に養殖魚の成長を目指して新規市場開拓に取り組み、ブリの加工・販売を行っている6次産業化事業体・水産加工会社。近畿大学の種苗を使用して国内の養殖業者によって養殖した完全養殖ブリを自社工場でフィレに加工し、冷蔵・冷凍製品として国内外への販売を目指している。

近代支援で実現した「におわないブリ」はファミレス「ガスト」で6月15日~10月18日まで定食メニューに登場した。青魚特有の匂いを抑え、魚が苦手な人や外国人でも食べられるよう養殖方法を工夫した。

ブリの販売が飛躍的に向上することが期待できそう。

 

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