『政治の衰退』(上)

 

フランシス・フクヤマ氏

 

ゲスト:フランシス・フクヤマ氏(スタンフォード米大学フリーマン・スポグリ国際研究所上級研究員)
テーマ:『政治の衰退』(上)出版記念
2018年6月19日@日本記者クラブ

フランシス・フクヤマ氏は翻訳書『政治の衰退』(上)を出版した。米社会の亀裂の激化、世界各地で反移民や大衆迎合主義の台頭で民主主義が危機に直面していると説き、このような時だからこそ、自由な国際秩序を守るまめ、知識人が声を上げていく必要があると強調した。

・米国の社会ではあまりにも深い亀裂、分断、二極化に襲われている。共和党と民主党では考えで重なるところは全くない。何もかも抜本的なところで意見が合っていない。統治の政策や妊娠中絶や財政赤字などどこにも既得集団がいて社会が真っ二つに分かれている。

・オバマ政権時代は重要な問題について何も対処できなかった。予算案についても議会を通すことができなかった。政治姿勢について対処が不能だった。

・Vetogracy(拒否権を発動する権利)という言葉を勝手に作った。あれもいや、これもいやということによって支配をする。大変な金をもった既得権益集団は政治システムそのものを拒絶する。世界各地の国々でもみられる。

・トランプ政権は拒否権によって支配されている。多くのアメリカ人は今もシステムについては実行性ない、一般とのニーズに対してきちんと対応ができていない、システムは麻痺をしている、拒否権によって支配されていることなどに怒りを感じており、強権的な人を求めていた。トランプ氏ならできるんではないかという期待があった。

 

 

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