イラン新駐日大使初会見

 

会見したイランのラフマーニ新駐日大使

 

7月に着任したモルテザ・ラフマーニ・モヴァッヘド(Morteza Rahmani Movahed)駐日イラン大使が、日・イラン関係の現状と展望などについて話した。

ラフマーニ大使は①イランは4000年以上の歴史を有する②石油と天然ガスを合わせた埋蔵量は世界第2位であり、世界のエネルギー需給に重要な役割を担っている-と述べた。

同大使は日本との外交関係について、1929年に国交を樹立し、以降伝統的な友好関係を確立していると語った。2013年のイラン大統領選においてロウハニ大統領が当選。原油輸入の拡大など二国間関係の新時代が幕開けを迎えたと指摘した。同大使によると、両国の貿易総額は2015年の35億ドルから17年には45億ドルへ増加した。

19年は両国外交関係樹立90周年の節目の年。さまざまな行事、イベントが予定されている。さらなる両国関係の発展を期待していると大使は述べた。

また、「大使は核合意から離脱し制裁を再発動したアメリカのトランプ政権を『信用できない』と厳しく批判した。さらに核合意には政治と経済の2つの側面があると指摘。『どんな鳥でも片翼では飛べない』と述べて、今後経済的な利益が望めないなら意味を失うと警告した。その上で『核合意の維持は関係国の努力にかかっている』と強調した」(会見リポート、日本テレビ国際部担当副部長 岩崎 建)

シリア情勢もイランにとっては重要な問題だ。「イランはロシアとともにアサド政権を支援し続いているが、反体制派の『最後の拠点』であるイドリブ県への総攻撃が近く行われるとの観測が強まっている。こうした動きに国際社会からは非難の声もあがっているが、ラフマーニ大使はあくまで『アサド政権からの要請に基づいたテロとの戦いだ』として容赦しない構えを見せた」(同)。

AFPは9月9日、在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、ロシアは8日、シリア反体制派が支配する最後の県である北西部イドリブ(Idlib)に対し、過去1か月で「最も激しい」空爆を行ったと報じた。

米国とイランの対立は泥沼化の様相を呈している。米国は8月7日にイラン核合意離脱に伴う制裁の一部を復活させ、11月上旬にはイラン産原油・石油取引の禁止に踏み切るもようだ。

米国による復活は欧米間の、中国やロシアを利して、将来の中東の混乱の火だねを広げた。イランは核関連活動の再開やホルムズ海峡の封鎖をちらつかせ、米国との衝突コースを突き進む恐れも出てきている。

ラフマーニ駐日日本大使は1959年、テヘラン生まれ。子ども3人。1989年外務省入省のキャリア外交官だ。

 

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