「豊洲市場」直送刺身
職場が新宿の住人から「リフォーム中の都庁の居酒屋がリニューアルオープンしたので行きませんか」と連絡があった。要は職員食堂(ユーレストジャパン)だが、ポイントは32階のビュー付き。豪勢な気分を味わえる。
「築地市場」はいつの間にか「豊洲市場」に地位を奪われた。長く続いたように思われるが、過ぎてしまえばあっという間だ。もう築地には誰も振り返らない。みんな忙しいのだ。
「豊洲市場直送」の魚を食べられるのは火曜だという。理由はよく分からなかったが、取りあえず30日(火)に行ってみることにした。宮城県産さんまの刺身(480円)と福岡県産天然真鯛の刺身(580円)を食べた。
新鮮でおいしかった。昔に比べると、ずいぶん明るくなった。相当広く、照明も居酒屋とはとても思えなかった。すべて都が管理し、ユーレストジャパンは関与していないという。
周りは職員ばかり。一般も歓迎だが、一時入庁証の受付が午後6時45分までとなっている。それまでに受付を済まさなければならない。直通エレベーターがストップするからだ。しかし、一時入庁証をもらうと、午後9時の閉店まではいられる。
帰ろうと出口を出たら、外国人の観光客がガードマンに「北展望台」の入り口を聞いていた。どうも同じような問い合わせが多く、そばの立て看板に地図が書かれていた。
自分もそれにつられて北展望台から45階まで上った。巨大な東京のイルミネーションが一望できた。世界1の東京だ。2017年の訪日客数は前年比19%増の約2869万人。5年連続で過去最高を更新した。18年は自然災害も多く、更新は止まるだろうが、それにしてもすさまじい。その恩恵を受ける人も少なくない。
日用品大手が相次ぎ国内で増産投資に踏み切っている(11月1日日経)。資生堂は口紅やアイシャドーの主力拠点である掛川工場(静岡県掛川市)で21年までに新生産棟を建設し、増産に備えるほか、化粧水などが主力の大阪工場(大阪市)も閉鎖方針を撤回する。
19年に栃木県大田原市、20年に大阪府茨木市に国内で36年ぶりに新工場を建設する。それに増産投資を合わせて1400億円の国内増産投資に乗り出す。
コーセーも傘下のアルビオンが20年までに約100億円を投じて埼玉県熊谷市の工場でスキンケア商品の新生産棟を建てる。ユニ・チャームやカルビー、明治、ネスレ日本、森永製菓なども同様だ。
「従来、日用品メーカーが海外進出する場合、現地に生産拠点や販売網を築く必要があった。ネット通販の普及で、アリババ集団などの越境ECの仕組みを使い、自ら資産を持たずに海外展開することが容易になった」という。
「訪日観光人気や越境EC(Electronic commerce=電子商取引)の広がりを受け、日本で製品を増産し中国などアジアに輸出するためだ。海外で高まる「日本製」への需要を満たすため、内需型産業の代表格だった日用品が輸出の新たな柱に育ちつつある」の何とも今日的で面白い。