『ファントム・スレッド』
作品名:『ファントム・スレッド』(幻の糸)
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
キャスト:レイノルズ・ウッドコック(ダニエル・デイ=ルイス)
アルマ(ヴィッキー・クリープス)
シリル(レスリー・マンヴィル)
2017年アメリカ映画/第90回アカデミー賞衣装デザイン賞受賞
2018年11月15日@飯田橋ギンレイホール
「英国ファッション界で脚光を浴びる天才的な仕立て屋レイノルズは、立ち寄ったレストランで若いウェイトレスのアルマを見初め、モデルとして迎え入れる」(ギンレイ通信Vol204)
『ファントム・スレッド』の舞台は1950年代のイギリス・ロンドンだ。この時代のファッションの世界はパリが中心だが、本作に登場する「ハウス・オブ・ウッドコック」は、レイノルズ・ウッドコックがデザイナーを務めるオートクチュール(高級裁縫)のドレス・メーカー。
フランスのパリで発達した服飾品のデザインと仕立てを行う高級衣装店。デザインの独創性,高度な技術,高価さで知られる。
従業員はいるが、経営はレイノルズの姉・シリルが担っている。こうした家族経営スタイルはイギリスのビスポーク・テーラー(主に紳士物の誂え仕立て屋)などでは一般的で、パリのメゾンが会社組織として運営され、オートクチュールからプレタポルテ(既製服)まで包括的に展開するのと対照的だ。
レイノルズが郊外のレストランで働いているアルマを見初め、自分のモデルに引く。アルマは極めてチャーミングな女性だが、レイノルズの審美眼を打ち破る芯の強さを持っているのは驚きだ。