新潟県魚沼産杵つき「のし餅」

 

新潟県魚沼産杵つきのし餅

 

魚沼市から直送ののし餅ですよ!(リヴィンIMA店)

 

店内は恒例の年末風景

 

伊根マグロがブランドになった!?(同)

 

雑煮に使われるお餅は「東の角餅、西の丸餅」。私の実家は兵庫県丹波市。京都へは80キロ圏内で、京都文化圏に入る。お餅で言えば、丸餅だ。

それが今年は急きょのし餅になった。30日に暮れの買い出しに出掛けたとき、珍しくのし餅の販売現場に出くわしたのだ。「30日、31日の限定商品。魚沼市より直送。のし餅1.3kg 1350円也」。

おまけに30日80個、31日80個という限定販売だった。追い立てられるような声につい買ってしまった。丸餅は買い忘れた。

のし餅は初めて。いつも丸餅だけしか食べていないのに、角餅となると、様子が違う。つきたてとはいえ、包丁が入りにくかった。関東では物差しを使ってきっちり切るという。

それを目分量で切り始めた。最初はまだ良かったが、最後のほうはずいぶん小さくなった。不揃いである。

伝承料理研究家・奥村彪夫氏の『わくわくお正月とおもち(おくむらあやおふるさとの伝承料理)』によると、元旦に雑煮を食べる習慣が定着したのは、江戸時代中期、元禄以降のこと。もともとは、新年を迎えるにあたり、歳神に供えた特産物と餅をひとつ、鍋で煮たことに由来するという。

雑煮発祥の地、京都では餅をついて1つ1つ手で丸める丸餅を用いていたが、将軍のお膝元の江戸では人口が多かったため、このやり方では時間がかかってしまう。そこで手早く大量に作れるように餅を一気にのしてから切り分ける角餅文化が広がったようだ。

奥村氏が各地域の出身者に聞き取り調査を行い作成した「全国お雑煮マップ」によれば、新潟県糸魚川から石川県金沢、岐阜県関ヶ原、三重県四日市、和歌山県新宮を結ぶ線を境目にちょうど東西に分けられると言えそうだ。関ヶ原が境界線になるという。

東北では唯一、酒田市や鶴岡市だけが丸餅になっているが、庄内地方は北前船で栄えた港町。江戸時代には西回り航路の起点だったため、京都や大阪から上方文化が数多く運ばれてきた。丸餅文化が残っているのもこのためではないかと思われる。

雑煮の変わりどころで有名なのは四国・香川県のあん餅雑煮。白味噌の汁に、あんを包んだ餅を入れるという。白味噌の塩気とあんの甘みが意外とマッチするという。

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