初の一般参賀
9歳の誕生日を迎えた孫と一緒に皇居の一般参賀に行った。一般参賀は70歳になるまで行ったことがない。天皇家への敬意がなかったわけでもなく、象徴としての意義を認めていないわけでもなかった。
いろんなタイプの人が多いのは知っているし、陛下に熱い思いを抱く人が一定数いることも知っているものの、だからと言って皇居まで行く気にはならなかった。
しかし、今回は代替わりである。改元でもある。お祭りみたいなものかもしれない。遊びついでに行ってみた。あんまり並ぶようだと素直に撤収することも視野に入れていた。
案の上すごい人だった。翌日の新聞を見たら、一般参賀者は約14万人だったという。結構暑かった。行列に並ぶのに慣れていない人間には辛い。
東京都千代田区では4日、気温が6月上旬並みまで上昇し、一般参賀の会場では体調不良を訴える人が相次いだという。皇宮警察本部によると、熱中症などで121人が救護所で治療を受けた。救急車の搬送も28人に上ったようだ。
妻と私と孫。即位式典委員会から手渡された日の丸の国旗を手に30分ほど並んだが、やはり断念した。いったん中に入ると、すぐに出られない。そうならないうちに諦めた。われわれは30分足らずに列を離れたが、荷物検査終了時点で離列した人たちもいた。
「これからも平和を」「両陛下との距離を近くに感じた」。天皇陛下の即位を祝う一般参賀には全国から多くの人が集まり、祝福の声を上げるとともに、新しい令和の時代への思いを深めた。
「せっかくの機会だから」と同級生と足を運んだ東京都の私立高校1年生は「時代の変わり目に高校生活が始まり、令和と不思議な縁を感じる」、「人混みでほとんど見えなかったけれど、お祝いできてよかった」(横浜市の主婦)、「皇室は外国人に優しいイメージがある。新しい陛下をひと目見たい」(36歳の中国人女性)。5日の日経朝刊にはいろんな意見が載った。
とにかく雰囲気はつかめた。これまでは皇居には行こうともしなかった。むしろ拒否していた感じすらある。70年経ってずいぶん変わった。身近に陛下の存在を感じただけでも良しとしたい。
午前11時すぎだった。ランチは日比谷公園の中にある1949年創業のビアレストラン「日比谷サロー」。同じ公園内に会社があったときは何回も来たことがある。孫は昭和カレーをベースにしたカレードリア、妻はタイ料理をアレンジした東京36ライス、私はスタンダードなスタイルにこだわった「懐かしの昭和おむらいす」を食べた。オープンガーデンは気持ちが良かった。
東京ミッドタウン日比谷をのぞいた。6階パークビューガーデンでは13時30分開演で「お話と歌の広場」が行われるという。
公益財団ニッセイ文化振興財団「日生劇場」が企画・制作したイベントで、おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)の2人がお話と歌を歌った。
読み聞かせは「しっかりものの錫(すず)の兵隊」(作:ハンス・クリスチャン・アンデルセン)と「ゆうきくんのフシギないちにち」(作:多摩美術大学ストーリー表現研究会有志)の2話。
少し暑かったので演奏している2人は辛かったのではないか。時折、心地よい風が吹くと気持ち良かった。