夢にまで見た「城崎温泉」のカニに舌鼓
城崎温泉(兵庫県豊岡市城崎町)はこれまで何度も来ている(はずだ)。しかし、このブログで確認したら2012年3月21日が最後となっている。すると7年ぶりだ。時間の経つのは実に早い。
城崎は温泉もいいが、何と言ってもカニが食べたい。食い意地優先なのだ。しかし、カニにも漁期がある。それを押さえておかないとうまいカニに出会えない。11月6日から翌年3月20日までだ。昔は3月末までだったような気がするが、確かではない。
カニの中では何と言っても松葉ガニが名高い。主に兵庫から京都北部、さらには山陰地方でとれる雄のズワイガニのことを言う。車で約5分の津居山漁港で獲れた松葉ガニは「津居山かに」とブランド化され、松葉ガニの中でも一級品扱いされている。青いタグが目印だ。
丹波の姉宅を出発したのが午前8時40分。そこから100キロの城崎温泉に着いたのは2時間後の10時40分だった。温泉町は雨に煙っていた。
駅横「さとの湯」の隣に市営駐車場に車を止め、徒歩1分の「おけしょう鮮魚」駅前店に向かった。今朝はシケだそうで漁獲はそう多くなかった。競りは順調に行われているようである。
足が1~2本ないのだが、味に変わりはないという。「指落ち」もある。足や指がちぎれてしまったわけではなく、カニは敵に挟まれたりしてケガをすると自分で足や指を切り落とす「自切」を行う。足落ちは足がちぎれたものではなく、自切によるものが多いという。
身体に負担がかからない様、最小限のキズ口で足を切り落とすそうだという。ただ切ったからといってその後足がニュキニョキ生えてくるわけではなく、脱皮を切り返すことで、自然と再生されるようだ。
おけしょう鮮魚では1階の魚屋で仕入れ、それを2階の食堂「海中苑」に持ち込むとそこで調理してくれるサービスを行っている。調理料金が3~4割オンされるとしても、通常よりも安い。8000円の「足落ち」を頼んだ。
駅前店と100mほど離れたところに本店もあって、内容はほぼ同じ。どちらかが必ず営業しているようになっており、カニを目当てに来た旅行者には嬉しい。
足を2本刺身にし、残りは焼いてもらった。黒板にはいっぱい書かれていたが、とにかくカニをいただいた。表現しにくいが、うまい!ひたすら食べた。
最後はカニ雑炊。これもたまらない。食事リポートはうまくできない。ただ食べるのみ。そして最後は雑炊だった。胃に優しい。
まだ午前11時である。われわれがこの日最初の客だった。午後零時が近づくにつれ徐々に客が入ってきた。朝っぱらから熱燗を飲む。外は雨である。実に風情があった。たまらない。すべてを忘れてカニをいただき、赤イカを食し、熱燗を飲んだ。
駅から傘を差しながら街の中に入っていくと7つの外湯がある。元湯まで行ったが、残念ながら休みだった。外湯も全部が開いているわけではない。空いている時間帯もまちまちだ。特に平日は考えていく必要がある。
この日入った3つ目のお湯は駅前の「さとの湯」。写真を撮り損なったが、こちらは2階が露天風呂で打たせ湯となっている。円山川を眺める眺望も見物だ。