新型コロナの感染拡大は爆発的には進んでおらず「一定程度持ちこたえているのではないか」と専門家会議
毎日新型コロナウイルスの感染拡大の動きばかりが気になって仕方がない。今日もコロナウイルス対策について書きたい。関係者には申し訳ないが、ヘタなフィクションを読んでいるよりもニュースのほうが格段に面白い。本当に大変なことが日本国内および世界で今起こっている。こうした現実をしっかり受け止めるのは同時代を生きる者の義務でなくて何というべきか。
専門家会議が「新型コロナウイルスによる感染は今後1~2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」と述べたのが2月24日。あれからちょうど2週間が経った。
尾身茂同会議副座長は3月9日、「本日時点での日本の状況は爆発的な感染状況には進んでおらず、一定程度持ちこたえているのではないかと考える」と述べた。今後の感染状況は北海道の緊急事態宣言発表(2月28日)や他地域の状況確認が必要だと指摘した。
ポイントは北海道による「緊急事態宣言」。鈴木直道知事は公立小中学校一斉休校を要請し、週末の外出自粛を要請した。専門家会議はこれらを見極めた上で2週間後に効果を推定し、さらに1週間かけて効果を検討。3月19日ごろをめどにイベント自粛を継続すべきかどうかを判断するとした。
イタリアのコンテ首相は新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない事態を受け、イタリア北部に限定してきた人の移動を制限する措置を10日から全土に広げると発表した。国民に必要な場合を除き、外出を控えるよう求め、屋外で人が集まることを禁じる。
イタリアの感染者数は10日午前5時21分現在、NHKの調べでは9172人と中国に次ぐ。3位は韓国の7478人、4位イランの7161人。
報道ステーションに出演した大和総研グループの経済調査部シニアエコノミスト、神田慶司氏によると、新型肺炎による実質GDPへの影響は、4月末までの短期終息を想定するメインシナリオでマイナス0.8%程度(約4兆5000億円程度)、1年程度の長期化するリスクシナリオではマイナス3.1%程度(約16兆3000億円程度)と試算している。
ただし、これには新型肺炎が欧米等でまん延した場合の経済への影響などは織り込まれていない。リスクシナリオが実際に起こった場合の日本経済への影響はこうした試算数値を大幅に上回るとみている。
東日本大震災時には個人消費が約1兆8000億円程度減少したが、短期シナリオでも2兆7000億円の減少を見込んでいる。また1年程度続けば、9兆6000億円縮小すると試算している。
神田氏は、日本経済が景気後退入りするかどうかは新型肺炎の流行期間に大きく左右され、現在は景気後退局面入りの「瀬戸際」にあるとみている。
気になるのが世界経済の中心地・米国だが、9日のニューヨーク株式市場ではダウ工業株30種平均が一時2000ドル以上急落した。S&P500種株価指数は取引時間中に下落率が7%を超え、すべての株式の売買を一時中断する措置(サーキットブレーカー)が発動された。
サーキットブレーカー制度は2010年にニューヨーク株が瞬間的に1000ドル近く下げた「フラッシュクラッシュ」を防げなかったことをきっかけに改正され、13年に新ルールが適用された。現制度下で発動されたのは今回が初めてだ。
米ジョンズ・ホプキンス大学によると、米国全体での感染者数は8日午後5時時点で511人に達し、約500人の日本を上回った。米CNNテレビによると、8日時点で西部オレゴン州など8州が非常事態宣言を出したという。米国内の死者は20人を超え、各州は衛生用品や人員の確保を急いでいる。
新型コロナの感染が広がる米大型クルーズ船「グランド・プリンセス」はカリフォルニア州北部のオークランド港で乗客の下船が始まった。乗客は一定期間軍施設などで隔離し、健康状態を確認する措置を取る。乗員については船内にとどめ経過を観察するという。