NHK総合「土曜時代ドラマ」枠で『雲霧仁左衛門3』が始まった=「BS時代劇」は8月に『雲霧5』を放送へ
享保年間(1716-1736)、江戸一帯のみならず、東海道、中仙道から上方まで股にかけ、鮮やかな手口で大金を奪う盗賊の一味があった。8代将軍・徳川吉宗の時代である。大金持ちの金蔵しか狙わず、決して押し込み先の住人を殺さず、傷つけず、犯しもしない。雲が湧くように現れ、雲のように消える。子分らを統率する一味の首領こそ雲霧仁左衛門(中井貴一)だ。
一方、雲霧一党の捕縛に執念を燃やすのは火付盗賊改方(ひづけとうぞくあらためかた)長官の安倍式部(あべしきぶ)。演じるのは國村隼人。盗みのプロと捕り物のプロが激突する。
『雲霧仁左衛門』は作家・池波正太郎の個性だ。1972年8月から74年4月にかけて『週刊新潮』で発表された。74年に新潮社で全2巻で刊行され、82年に新潮文庫で重版された。
これまで映画(1978年7月1日劇場公開、主演仲代達矢)になり、テレビドラマ(1979年フジテレビ系天知茂、1987年テレビ朝日系松方弘樹、1991年フジテレビ系萬屋万之助、1995年フジテレビ系山崎努)化もされた大人気活劇だ。
これが中井貴一主演としてNHKBSプレミアム「BS時代劇」枠で2013年から改めて『雲霧仁左衛門』として放送された。さらに第2シリーズ、第3シリーズ、第4シリーズまで放送された。
ところが4月11日(土)から放送の始まったのはBSではなく、NHK総合の「土曜時代ドラマ」枠だ。内容は同じでもBSと総合(地上波)ではチャンネルが違う。総合はNHK視聴者のほぼすべてが視聴可能だが、契約のない人にはBS放送は見られない。
これがどうもややこしい。総合しか見られない人にとっては初放送だが、BSも見ている視聴者にとっては再放送である。
テレビドラマなど何をどう見たのか見終わるとすぐに忘れてしますのが常だ。どのシリーズの何を見たのかも忘れてしまう。「楽しみ」だからこれでいいのかもしれない。しかし、単なる「楽しみ」として見ているほうはいいにしても、実際に書くとなるとそうはいかない。内容も、骨格も押さえておかないといけない。
たかがドラマに目の色を変える必要があるかと言いたいところだが、しっかり見ている人もいないとは限らない。このブログ読者の中にもこういうことに関心を持っている人がいるかもしれない。
■NHK BSプレミアム「BS時代劇」 中井貴一主演。池波正太郎生誕90周年記念。
第1シリーズ『雲霧仁左衛門』(全6回)2013年10月4日~11月8日 『雲霧仁左衛門』が原作に雲霧一党と安倍式部の攻防を描く。
第2シリーズ『雲霧仁左衛門2』(全8回)2015年2月6日~3月27日 同上
第3シリーズ『雲霧仁左衛門3』(全8回)2017年1月6日~2月24日 『雲霧仁左衛門』など池波正太郎の小説を原案として、第2シリーズの1年後を舞台に藤堂家の江戸家老も交えた三つ巴の争いを描く。
第4シリーズ『雲霧仁左衛門4』(全7回)2018年9月7日~10月19日 天一坊事件を背景に雲霧一党と火付盗賊改方の攻防を描く。
第5シリーズ『雲霧仁左衛門5』(全8回)2020年8月から放送予定。 大奥の隠し金をめぐる攻防を描く。
■NHK総合「土曜時代ドラマ」
第1シリーズ『雲霧仁左衛門』/第2シリーズ『雲霧仁左衛門2』 2019年4月6日~7月20日
第3シリーズ『雲霧仁左衛門3』2020年4月11日から放送開始
というわけで4月11日に視聴したのは3年前の2017年にNHKBSで放送された第3シリーズ『雲霧仁左衛門3』の第1回目「嵐の予感」だった。BSを契約していたし、恐らく見たとは思うが、どうも記憶にない。このブログにも『鬼平犯科帳』については書いているが、『雲霧』は何も書いていない。
これはいけない。1度くらいはきちんと書いておきたい。
第1シリーズの第1回目から見始めた。全37回。1日1話ずつ見ても1カ月以上だ。幸いにも新型コロナウイルス禍で外出自粛を強いられている。取りあえず、雲霧について調べてみた。
雲霧仁左衛門=中井貴一
七化けのお千代=内山理名
州走りの熊五郎=手塚とおる
安倍式部=國村隼人