カンパニュラの清楚な姿は風鈴草の如く=「カンタベリーベル」とも呼ばれる自然の貴婦人
30年ほど前、英国に4年間住んでいたとき、亡き母が2度やってきた。そこで見たのがカンパニュラ(Campanula)だった。日本では風鈴草とも呼ばれるカンパニュラだが、小さなブルーや紫色の花を付けるカンパニュラを気に入って、母は自分の田舎(兵庫県丹波市)の花壇に植えた。
今は人に貸している土地だが、それが恐らく今も群生しているはずだ。カンパニュラは仲間がとても多く、その数は300を超えると言われている。卓上に飾ることができるコンパクトな品種もあれば、高さが1.5メートルを越える大きな品種もあるという。
特に最近は園芸品種が多く出回っており、同じカンパニュラでもなかなか見分けにくい。鐘(ベル)のような形の花を付けるところから ベルフラワー(bell flower)と呼ばれることもある。
カンパニュラは南ヨーロッパ原産のキキョウ科の植物。明治初期に日本に入ってきたと言われる。カンパニュラはラテン語で「小さな鐘」を意味する。
英名では「カンタベリーベル」とも呼ばれている。カンタベリー寺院を訪れる巡礼者の持つ鈴に似ていることからそう名付けられたという。
このお皿はスポードの「カンタベリーB&Bプレート」。釣鐘草をモチーフとした自然を愛する英国らしい上品なパターンだ。日本人の奥様は英国駐在になった場合、大体が「ボーンチャイナに恋をする」といわれる。妻もそうだった。このお皿は妻の好きなカンパニュラ(カンタベリーベル)を描いたもの。
このお皿に盛った料理は昔もそんなに何度も出てこなかった。今もコーヒーのカップ&ソーザーくらいが出てくるくらいで、いつもは食器棚の奥に静かに眠っている。