50日ぶりに乗って確かめた電車”恐怖症”=基礎疾患のある高齢者は電車に乗るべきか否か
■50日ぶりに電車に乗る
3月23日以来50日ぶりに電車に乗った。神田の歯科医に診察に受けるためだ。沿線の中野江古田病院(中野区)で医師や患者など92人の大量集団感染が確認される事例が発生。光が丘駅が最寄り駅の練馬光が丘病院(練馬区)でも合計52人の集団感染が見つかっている。
東京都全体では5月12日午後8時現在、感染者(陽性者)数が累計4987人(うち死者は196人)で、練馬区内では11日集計で感染者の累計は255人となっている。どの地位で感染しているかは情報が一切外に出ないので、どの地域は危ないのかが全く不明だ。
例によって「個人情報保護」を建前に一切外に漏れないのだが、どの辺りは危ないのかを知らないとどうにも動きようがない。外出自粛とはいえ、不安の中で外出を余儀なくされている人も少なくないはずだ。
「風評被害が出るとまずいから」というのも情報封鎖の理由だ。法律は最低限のルールを定めているにしても、知りたいものは知りたい。個人情報を保護するためというのは組織防衛のためではないかとさえ思う。あまりにも当局に都合が良いからだ。
■重症化するとウイルスが血液を通って多臓器不全も
こういう感染状況の中で電車に乗って都内を西から東まで行くのは結構勇気がいる。初期症状は「発熱や頭痛、下痢、乾いた咳など」だというが、単なる風邪ではない。異常な風邪というように症状がかなりひどい。苦しいのだ。
多くの人がそれを訴えても、保健所はPCR検査を受検させてくれない。医療崩壊を懸念しているためだという。そうこうしているうちに呼吸不全などの中等症に移行する。あっという間に重症に陥る患者も出ているという。
胸が急に苦しくなる不整脈も結構辛いが、自分ではどうにもできない症状だ。自分でもどうにもできなので、じっと座っているしかない。私も5~6年程前にはそうだった。苦しくて駅にベンチでじっとしていた。
基礎疾患を持っている高齢者は気を付けるべきだとよく言われる。特に糖尿病などは血管が弱っており、重篤化する可能性が高い。重症呼吸不全のほか、血液を通じてウイルスが他の部位にも転移し、腎不全や心不全、肺不全、血栓形成などの症状を引き起こるという。
■怖い”電車恐怖症”
こうなってくると、外に出るのが途端に怖くなっている。基礎疾患の高齢者だからだ。年寄りは外出をほぼやめている。外に出ている人もマスクをしたり、アルコール液で消毒するなどかなり注意している。仕事に出ている人も帰宅と同時に風呂場に直行する人もいる。
外に出る場合、自分なりに相当神経を使うべきだ。マスク着用は当然だ。相手に移さないのはもちろん、病原菌をもらいたくもない。エチケットマナーが重要だ。
外に出ないとそれが当たり前になってしまう。年寄りだとなおさらだ。どうしても怖いと足がすくむ。自宅近くは散歩も兼ねて歩いても電車にはなかなか乗れない。自分もそういう状態になりつつある。それが怖い。