10年かけて戦った大阪都構想、住民投票で再度「否決」=松井市長引退へ
大阪市を廃止して特別区を設置する「大阪都構想」の是非を問う住民投票が11月1日投開票され、反対多数で否決した。2015年の前回の住民投票に引き続き僅差で、大阪市は政令指定都市として存続することが決まった。10年間続いた都構想の議論は事実上決着した。
大阪維新の会は元代表の橋下徹氏が提唱して以来、都構想を「一丁目一番地の政策」として位置づけてきた。住民投票は東京以外にも特別区を設置できる「大都市地域特別区設置法」に基づいて実施された。投票率に関係なく、結果は法的拘束力を持つ。
有権者は220万5730人の大阪市民。大阪市選挙管理委員会によると、投票率は62.35%。15年の前回投票の66.83%を4.48ポイント下回った。開票結果は反対が69万2996票、賛成は67万5829票。反対が賛成を約1万7000票上回った。
今回の選挙のポイントは公明党だった。公明党は大阪都構想について前回は反対だったが、今回は賛成の立場に転じた。前回は賛成は12.7%だったが、日経の出口調査によると、賛成は公明党支持層の48.4%だった。反対は51.6%。
維新の会は公明党の動きについて限定的だったと不満があるようだ。山口那津男代表の大阪入りは一度だけだったし、支援者への説明も期待したほどではなかったという。
公明党の動きがもっとはっきりしたものであれば「勝てた」はずだったという。選挙は難しい。