「上用まんじゅう」のおいしい伊勢屋=深川の和菓子屋は何を食べても外れなし

 

上用まんじゅう

 

新型コロナウイルス感染対策のため外出自粛が要請されている。外へ出ることも思うに任せず、自宅に引きこもりがちだ。せいぜい衰えている体力強化のために散歩をするのが唯一の楽しみだ。ほかにこれと言った楽しみはない。

16日(土)は20度近い暖かさだった。それも土曜日である。家にいることがもったいない陽気だ。それでもコロナは外出自粛を求めたが、散歩をすることにした。

石神井川沿いに設けられた縁道を練馬高野台に向けて歩き出した。石神井公園に向かっていたが、途中に不思議な道があった。何でも不思議な道があれば無視できない。その道をたどってみることにした。

富士見台3丁目、4丁目らしい。いろんなところに小さな公園がある。スマホを見れば、現在地がすぐ分かる。しかしそれが分かれば面白くはない。分からないところを歩いているのが面白い。

いつの間にか西武新宿線富士見台駅に向かう商店街に出た。小さな商店が立ち並んでいる。結構長い。

 

深川伊勢屋富士見台店

 

富士見台駅近くに和菓子屋があった。富士見台駅周辺には何店舗か和菓子屋があって、それなりに繁盛しているようだが、どうもこの「深川伊勢屋富士見台店」は別格のようである。人だかりがしていて客が絶えない。やはり理由はその味のようである。

醤油だんご、みたらしだんご、ずんだだんごなどのだんご類と上用まんじゅう、きんつばなどが並んでいた。人気の秘密を知るためには買って帰って味わい尽くすしかない。

この伊勢屋(本社・東京都江東区富岡)は創業が明治40年(1907年)。下町深川でだんご、大福、のり巻、いなりなどを中心に「気軽に楽しんでいただける菓子屋として商売している」という。

HPの沿革を見ると、富士見台店は平成12年(2000年)5月に独立分離出店した。都内など10店舗以上を持っているほか、大丸東京店、日本橋高島屋店、上野松坂屋店、成増店なども新設している。多店舗展開を進めているようだ。

それにしてもどこにでもあるような和菓子屋というのは1店舗かあるいはせいぜい数店舗くらいが普通だが、立派な店舗を誇る名店とは違ってこの伊勢屋さんはどうやら多店舗化を図っているらしい。珍しい。

 

 

2つに切ると・・・

 

上用饅頭は「じょうようまんじゅう」と読み、とにかく皮が命。すり下ろした大和芋や山芋と米粉の皮が特徴的で、あんを包み蒸し上げた饅頭。しっとりとした薄皮とあんが上品な味わいを見せている。

要は皮が薄く、しかもその皮が芋と米粉で作られている。中のあんはこし餡。「上用まんじゅうが美味しい店は何を食べても美味しい」。食品関連サイト「macaro-ni.jp」によると、「職人の技量やセンスが表れ、そのお店のレベルがわかる和菓子」と言われている。

高価な砂糖や小豆を使った饅頭は位の高い人しか食べられなかったため「上に用いる=上用」と名付けられたのだという。引き出物やお祝い事など主に贈答品として使われている。

上用饅頭の元になる甘い饅頭は室町時代の中国人僧侶「林浄因」によって伝えられたといわれている。「macaro」によれば、それまでは肉入りだけだった。禅宗の茶菓子として用いるため小豆入りにしたという。

本ブログによると、福島県郡山市には「菓祖神・満寿神社」があるという。そこには日本に初めて饅頭づくりの技術を伝えた祖・林浄因命(りんじょういんのみこと)が祀られている。

本来は「薯蕷(じょうよ)饅頭」と呼ばれ、大和芋・山芋を使ったものを指してしたが、現在はお茶の席や贈答用の餡入り饅頭全般を「上用饅頭」という。

 

 

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