【バラ園】東京から1カ月遅れの「軽井沢レイクガーデン」と「サムズガーデン」で堪能したバラ
■軽井沢レイクガーデンのバラ園は6月が本番
軽井沢レイクガーデン(長野県北佐久郡軽井沢町レイクニュータウン)は長野県東信地方の浅間山麓に立地している日本有数の高原リゾート都市にあるナチュラルガーデン。
軽井沢は日本で最も古く、また最も有名な避暑地・別荘地の1つであり、19世紀以来、西洋人をはじめ多くの人々が好んで滞在してきた町として知られる。
軽井沢の標高がとにかく高い。何せ浅間山麓である。標高は900m~1200m。私が住んでいる東京都練馬区光が丘駅の標高は42mだから軽井沢と比べると問題にならないくらい低い。軽井沢は人口約2万人の小さな都市で、夏は涼しさが売り物である。
練馬区に区立「四季の香ローズガーデン」があるが、5月はそこで春のガーデンフェスティバルが開かれた。開催されたのは5月である。広さは約1万4000㎡。5月はバラの季節だが、軽井沢に行ったのは6月18日(土)。ちょうど1カ月後だったが、バラが咲き始めていた。
■絶妙な場所に椅子があって・・・
昨年はランチを食べに立ち寄っただけでバラ園はのぞかなかった。今年はバラ園をしっかり散策させてもらった。敷地面積は1万坪(3万3000㎡)と四季の香ガーデンの3倍に広さである。
散策するだけでも1時間となっているが、バラ好きにはたまらない。何時間でも楽しめる。ちょっと椅子でもあればいいなと思ったところに狙い済ましたように椅子が配置してあるのだ。ちょこっと座るとのんびりして実に落ち着ける。
イングリッシュローズとフレンチローズを中心に約400種類のバラと約300種類の宿根草が植栽されている。中之島にはウッドランドやラビリンスローズガーデンも設えてあって、湖畔には香りのあるローズパスも設けられている。
バラ園と言えばどうしてもバラの独演場となりがちだが、ここは蓮や宿根草など自然の花が豊富だ。バラ以外も楽しめるのだ。自然の豊かな表情が四季折々に語りかけるナチュラルガーデンと銘打っている証拠である。
バラ本来の香りを楽しむのは早朝が一番といわれる。レイクガーデンも午前7時からオープン。園内の途方もなく広さを歩きながら、その自然を堪能するのも何とも言えない。
■モザイク調のチェアでスイカを食べる幸せ
レイクガーデンのショップでスチール製のチェアを2脚買ってきた。結構しっかりした構造で家内が気に入った。この椅子、2つに折り畳めるのである。同じ折りたたみ式でも布製の椅子だと雨には弱い。
それに比べ、スチール製は雨が降っても問題ない。レイクガーデンに比べるべくもないが、わが家の箱庭でこの椅子に座って千葉・富里から送られてきたスイカをガブッとやった。口の中に甘味が広がる。口に残った種をぷっと庭の上に吹き出す。これが何とも言えないのだ。
わが家の小さな庭は枝垂れ梅とジューンベリーがおごっていて下は日陰になっている。外は焼け付くような暑さだが、椅子を日陰に置いて座れば意外と涼しい。
そこでスイカを食べるのである。田舎の庭でこうしてスイカを食べるのが「スイカの正しい食べ方」であると一席のたまわった記憶があるが、都会の中でも工夫さえすればそういう場所を確保できるものだ。小さな喜び、小さな幸せである。
■小諸市のオープンガーデン「サムズガーデン」も必見
軽井沢レイクガーデンを堪能した翌日午前、NHKの「素敵にガーデニングライフ」で放映されたという「Sam’s Garden」(長野県小諸市滋野甲糠地)を見学した。
元はトウモロコシ畑と森だった1400坪の敷地をたった一人で34年間かけて耕して作った庭。眼下には小諸市の街が見え、正面には富士山、八が岳、蓼科山、そして右遠方には雄大な北アルプス連峰が一望千里できる標高900mの丘に夢を形にした1400坪の庭園。
斜面をつなぐ芝生はよく手入れされ、点在する樹木が深い木陰を作っている。あちこちに咲き乱れる宿根草と、こぼれ種で増えている1年草が庭をふんわりと囲んでいる。
丘の頂上には母家があり、庭はサンクン・ガーデン様式。母家のベランダでコーヒーとクッキーをいただいた。バラ三昧を堪能した。