【九州ドライブ旅行⑨】日本で最初に南蛮貿易の拠点となった平戸市でF・ザビエルの布教したキリスト教と松浦氏の統治した平戸城が出会うとき

サムソンホテル

 

■ホテル経営者は元アナウンサー

 

九州ドライブ旅行の最後の宿泊地は平戸市(ひらどし)の平戸たびら温泉サムソンホテル。4つ星ホテルらしいが、とにかく平戸瀬戸を見渡し、オーシャンビューの快適リゾートホテルだった。

夕食時にホテルの社長が突然現れてスピーチしたのには驚いた。「よく言われるが、うちは韓国の超有名企業のサムスン(Samsung)とは一切関係ありません。平戸出身の日本人が創業したホテルです」とあいさつ。

2025年7月に株式会社サムソンホテルに商号変更。それまで「あじか磯釣センター」で運営していたが、所有していた瀬渡船の「ブラックサムソン号」と、古代の力持ちの英雄サムソンにちなんだ名前を付けたと力説した。

就任ほやほやの村山仁志社長はスマホの写真サービスで各テーブルを回り、我々夫婦のところにもきて、しばし歓談していった。元NBC長崎放送のアナウンサー兼小説家でもあるという。

 

超炭酸自動マルチサーバー

 

■爽快感がたまらない「超炭酸」ハイボール

 

まず目に付いたのはサントリー超炭酸サーバー。飲食店向けの業務用ハイボール・炭酸水専用サーバーだとか。

冷却機能を高めることで約1℃の冷えた強力な炭酸水を作り、美味しい強炭酸ハイボールやチューハイを提供できるという。

「超・炭酸」とはとにかく炭酸が強く、爽快感、シュワシュワ感が長く味わえるのが特徴。一度超炭酸を飲めば、普通のハイボール、サワーでは満足できなくなるというわけだ。

 

ふんわりご飯盛り付けロボット

 

鈴茂器工が開発・販売する「Fuwarica」(ふわりか)は、ボタン1つで定量のご飯を粉雪のように空気を含ませて、ふんわり・すばやく盛り付けられる代表的なご飯盛り付けロボット。

「自動ご飯盛機」(鈴茂製)は既に2010年5月、中央道諏訪湖SAのレストランで見つけている。あれから16年たったが、こちらのほうはそれほど進歩していないみたいだ。

 

日本酒サーバー

 

■日本酒もサーバーで

 

こんな感じで日本酒を生で定量注げるサーバーもあった。どうやらめちゃめちゃ便利なようだ。

日本酒は日本酒カウンターで飲むべきものかもしれないが、そのほうが絶対おいしいだろうが、ただ単に試してみたいというインバウンド需要もある。バイキングならこれで十分OKかもしれない。

これならワインでも使えるかもしれないと思った。それで思い出したのが5年前の2021年4月に山梨県甲州市の市営施設「勝沼ぶどうの丘」(甲州市勝沼町)に行ったときのこと。

当時はコロナ騒動で試飲にあり付くのが難しかったが、勝沼醸造(勝沼町下岩崎)で見掛けたのがエノマティック社(イタリア)製のワインサービングシステム「エノラウンド」

カウンター付きの円形の本体に16本のワインを設置できた。常温または冷蔵タイプの選択ができ、冷蔵タイプは8本ずつ異なった温度設定が可能だ。当時は便利なものがあるなと思った。

イノベーションは日進月歩。サムソンホテルのサーバーももっと改良が加えられているに違いない。

 

平戸市

平戸城(左)、ザビエル教会(右)

 

■平戸を3度訪問

 

宣教師を乗せてくる南蛮船の寄港地は長崎県や熊本県・天草地方が多い。当然そこでは宣教活動も集中的に行われ、信徒の数も増えた。

フランシスコ・ザビエル(スペイン・ナバラ王国出身のバスク人)の名前は日本に初めてキリスト教を伝えた人として有名だ。

ポルトガル王ジョアン3世の依頼でインドのゴアに派遣され、1549年8月に鹿児島に上陸し、1551年11月に日本を離れた。日本には約2年3カ月間滞在した。

鹿児島では島津貴久公の許可を得て布教を始め、平戸も訪問。信者を獲得し、のちに布教の拠点の1つとした。平戸には3度訪問している。

1度目はすぐに鹿児島に引き返したが、翌月に2度目の訪問を果たして2カ月余り滞在。3度目は京都からの帰途立ち寄り、1カ月滞在した。

京都では天皇や将軍に面会して布教の許可を得ようとしたが、戦乱のため果たせなかった。平戸では領主の松浦隆信に好意的に迎えられ、100人ほどの人々に洗礼を授けたといわれる。

カトリック平戸教会(平戸ザビエル記念聖堂)

 

■平戸に建ったザビエル教会

 

平戸にザビエル教会があるのはザビエルが当時の平戸の領主・松浦隆信の許可を得て、日本で初めて本格的な布教を行ったためだ。

キリスト教は国内では300年にわたって禁止されていたが、1931年に禁教が解けて復活。聖ミカエルに捧げた教会が建てられ、「平戸ザビエル記念聖堂」と呼ばれるようになった。

エメラルドグリーンの外壁と尖った屋根が特徴のゴシック様式の見事な教会である。周辺の寺院と教会が一緒に見える景色は平戸を代表する観光地として知られている。

鉄筋コンクリート造り平屋396㎡、1931年竣工、末広設計事務所。

日本国内にはフランシスコ・ザビエルを保護聖人(教会の保護者)として名を戴く聖堂や教会が33カ所あるという。特に平戸と並んで山口ザビエル記念聖堂、鹿児島カテドラル・ザビエル教会が有名である。

 

平戸城(ながさき旅ネット)

平戸城(ながさき旅ネット)

 

■海の向こうに世界を見ていた平戸城

 

平戸はキリシタンゆかりの土地であるとともに、松浦氏が治めた領土でもある。街中にはキリスト文化の象徴であるカトリック教会とともに、寺院や平戸城(山の上町)なども存在する。

南蛮貿易に触れる土地柄であるとともに、武家社会の象徴である平戸城も立地している。

平戸城は、別名亀岡城と呼ばれ、平戸瀬戸に突出した平山城だ。1704年に着工し、15年の歳月をかけて1718年に完成した。

 

平戸城から世界を見つめる

平戸城天守閣から世界を見つめる

 

■5年前に大規模リニューアル

 

その後、明治の廃城令で廃城。現在の天守閣は、1962年(昭和37年)復元(天守閣三層五階建)され、日本100名城の1つにも選ばれている。

2021年4月には外壁内壁の補修、展示品の完全入れ替えなどの大規模改修を実施し、完全リニューアルを行った。

かつて、長崎より早く世界の窓口として栄えた平戸。その象徴である平戸城は「海の向こうに、世界を見ていた」。今は海の向こうに中国を見据えているのだろうか。

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