‘ジャーナリズム’ カテゴリーのアーカイブ

「公文書問題」で福田康夫元総理

カテゴリー: ジャーナリズム, 悲憤・慷慨・憤怒(政権批判), 政治/外交/国際/軍事

2018/06/01  22:35


 

福田康夫元首相(81)

 

ゲスト:福田康夫元総理
テーマ:公文書管理について
2018年6月1日@日本記者クラブ

 

元内閣総理大臣の福田康夫氏は1936年7月16日生まれ。81歳になる。政治家は高齢だが、この人もしっかりしている。政治家というのはどういう加減で長生きするのか。よく分からない。

2007年9月から08年9月まで内閣総理大臣を務めた。父の福田赳夫氏も総理だった。

福田元総理は学校法人「森友学園」に関する決済文書改ざん問題で「記録を残すのは歴史を積み上げることだ。公文書は石垣の1つであり、ちゃんとした石でなければ困る」と財務省を批判した。

福田氏は首相在任中、公文書管理法の制定に取り組んだ。今回の問題について「改ざんなんてことがあり得るのかと思った。ちょっとさびしい話だ」と述べた。

佐川宣寿前国税庁長官らが不起訴処分になったことについては、「おとがめなしとなってしまったら、(近畿財務局で3月に)自ら命を絶った人はいったいどうなるのか」と指摘した。(毎日新聞WEB版)

 

モヒート(アディロンダックカフェで)

 

内幸町の日本記者クラブからの帰途、神保町のアディロンダックカフェ(千代田区神保町)に寄った。コーヒーを飲もうと思っていたが、外が意外と暑く、ついモヒートと言ってしまった。

前に飲んだとき、マスターに教えてもらった。ラム酒ベースのカクテル。フレッシュミントを入れ、おしゃれなカクテルとして最近人気らしい。タンブラーグラスの底にグラニュー糖がたまっていて、それをつぶしながら飲むのが楽しいという。

さらにモヒートは1890年代に生まれ、文豪ヘミングウエーも愛したカクテルだったということになれば、もう飲まずにはいられまい。

アディロンダックカフェのすぐ近くに最近バー「街路」ができた。どうもそこの売り文句がモヒートらしい。本格派のバーだ。マスターの話だと、1年くらい前にできたようだ。この夏、一度ここでも飲んでみたい。

早稲田大学ジャーナリズム大学院設立10周年シンポジウム

カテゴリー: 【メディアリテラシー研究】, ジャーナリズム

2017/12/17  21:33


 

「AIは記者にとって代わるか」シンポジウム第二部

 

イタリアからSkype参加のシッラ・アレッチさんの報告(第一部)

 

早稲田大学ジャーナリズム大学院(J-School)設立10周年シンポジウム「AIは記者にとってかわるか?」が12月17日、早稲田キャンパス大隈小講堂で開催された。AIがもたらす可能性、社会やジャーナリズムが抱えているジレンマについて白熱した議論が交わされた。

朝日新聞大阪本社社会部記者の矢吹孝文氏が自社で採用しているアドバンスト・メディア社(鈴木清幸社長)のディープラーニングを実装した音声文字化システム「AmiVoice」(アミボイス)を紹介した。

報道機関では取材映像や音声の確認・共有のため、取材後に書き起こしを行っているが、これが大きな業務負担になっているのが実態だ。これを解消するために映像音声の文字化に特化した音声認識システムを実現した。

アドバンスト・メディア社は月額基本料金3万5000円+月額1ライセンス2万円で今年11月6日から発売を開始した。

現段階では「タッチタイピングの早い記者」としての位置づけだが、朝日の社会部では「これがないとどうにもならない。昔には戻りたくないとみんなが言っている」という。

今後、話者の振り分け、要約、固有名詞や専門用語などの強化につながっていければとの声が現場では強いようだ。

シンポジウムの模様は画面分割し、アミボイスを活用しながら、行われた。議論の中身が画面の左手に大写しに展開されていった。

パネリストは津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)、平和博(朝日新聞IT専門記者)、畑仲哲雄(龍谷大学社会学部准教授)、久木田水生(名古屋大学大学院情報学研究科准教授)の4人。進行は田中幹人早稲田大学大学院情報学研究科准教授。

津田:早稲田で教えるきっかけになったのは早稲田小講堂で、J-スクールの前身だった。原点に戻った感じで、ひどく楽しみにしている。

平:昭和のジャーナリストという立ち位置で今日はやらしていただきたい。

畑仲:早稲田とはほとんど縁がなくて、呼んで頂いて光栄だ。かなり昭和な人間。古いタイプの新聞記者の育ち方については分かっている。議論に参加したい。

久木田:こういう立派なところに呼んでもらって光栄だ。

田中:今日のパネルでは「未来シナリオ」を提案してパネリストの反応を聞く手法を取りたい。

▇「ストレートニュースはAIが書く」新聞社の出現

平:コスト削減時代が続く。機械的な作業をAIが代替し、生産性を上げていくことは1つの手段になる。ただし、それだけだと競争力になっていかない。空いた時間をクリエイティブなものに生かしていく。決算記事にAIを導入したAP通信は20%削減を実現した。20%ルールをさまざまな分野で活用できる。

▇「無駄な意見」を削除するプラットフォームの出現

▇世の中の事象をデータ化して集め、正直に利用しうる良心的なビッグブラザー」社会の到来

 

 

 

会場の大隈小講堂に入るのは初めてだった

 

政治経済学部には巨大なビルが建っていた

試写会『否定と肯定』

カテゴリー: ジャーナリズム, 会見メモ, 政治/外交/国際/軍事, 映画/テレビ/舞台

2017/10/27  23:55


 

”真実”とは何か?

 

作品名:『否定と肯定』(原題『Denial』)
監督:ミック・ジャクソン
キャスト:デボラ・E・リップシュタット米エモリー大学教授、ユダヤ人歴史学者(レイチェル・ワイズ)
リチャード・ランプトン英法定弁護士(トム・ウィルキンソン)
デイヴィッド・アーヴィング英歴史家(ティモシー・スポール)
試写会@日本記者クラブ
12月8日(金)全国ロードショー

 

作品について語るリップシュタット教授

 

デボラ・E・リップシュタット米エモリー大学教授は27日、上映に先立って15分間会見し、本作品について、「この映画は実際に私が経験したマイストリーだ。すべてが真実だとは限らない。誰もが自分の意見を持つ権利があるが、事実は1つしかない。歴史家はホロコースト(Holocaust=ナチスによる大量虐殺)がどのように行われたについて議論することはできるが、事実はホロコーストは実際に起こったということだ」と述べた。

「実際に起こったことについてはディベート(議論)できない」と指摘し、「英歴史家のアーヴィングが主張していることが1つ1つ間違っていることを証明していくことで彼を嘘つきであることを立証した」とも語った。

実に興味深い作品だった。時間もなかったので迷ったが、結局、観賞した。そして見て良かったと思った。内容が深く、ある意味で感動した。そんなに感動する作品にはお目にかからないが、フェイクニュースのまん延する中、たとえ娯楽作品と言われようと、「ホロコーストは実在した」との事実を立証しようと真正面から取り組む姿勢には感銘を受けた。

リップシュタットは米ジョージア州アトランタにあるエモリー大学の教授。ユダヤ人。現代ユダヤとホロコーストについて教鞭を執る歴史学者。1994年、彼女は著作「ホローコストの真実」でホロコースト否定論者として非難した英歴史家デイヴィッド・アーヴィング(ティモシー・スポール)が講演会場に乗り込んできて、彼女の話を遮った。

彼は1000ドルの札束を振りかざしてこう言った。「ヒトラーがユダヤ人殺害を命じたと証明できる者には、これをあげよう」。それをカメラに収め、自己宣伝に使った。そして1996年2月、アーヴィングは英王立裁判所に名誉毀損でリップシュタットを訴えた。リップシュタットは悩んだ末、英国から腕利きの事務弁護士アンソニー・ジュリアス(アンドリュー・スコット)を呼び寄せる。彼は英国の法定では訴えられた側に立証責任があると説明する。

2000年1月、多くのマスコミの注目する中、王立裁判所で裁判が始まった。

 

「フェイクニュースとPR報道にだまされないために」

カテゴリー: ジャーナリズム, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

2017/10/19  23:14


 

講演する瀬川至朗教授(日比谷図書文化館)

 

元毎日新聞の記者で現在早稲田大学政治経済学術院の瀬川至朗教授は10月19日、千代田区立日比谷図書文化館で開かれた日比谷カレッジで、「フェイクニュースとPR報道にだまされないための基礎知識」と題して講演した。

フェイクニュースとは「政治目的やウェブサイトへのアクセスを増やすために、サイトから配信される偽情報やデマ。ソーシャルメディアによって拡散される間違った情報」(オーストラリアのマッコーリー英語辞典、2016年の言葉)。

またポストトゥールース(ポスト真実)とは「世論の形成において、客観的な事実よりも、感情や個人的な信条へのアピールが影響力を持つ状況」(英オックスフォード辞典、2016年の言葉)

瀬川教授はフェイクニュースは19世紀の大新聞王ピューリツアー氏のイエロージャーナリズムの時代にも「フェイク」という言葉が現れているとした上、情報の発信を市民が担い、加工も容易で断片化し、拡散のスピードも速い現代のような時代こそフェイクニュースには最も気を付けるべきであると指摘した。

その上で同教授はフェイクニュース対策として、①記事・情報の構造を知る②ニュース発信の仕組みを知る③メディア報道の歴史に学ぶ-など、だまされないためのメディア・リテラシー(ニュース・リテラシー)を養う必要があるとの認識を示した。

具体的には記事・情報を見極めるためのチェックリストとして、①掲載されているメディアサイトはどのようなものか②発信されている内容は具体的か③発信者を信用できるか④情報源は信用できるか⑤記事・情報にはどのようなエビデンス(根拠)が示されているか。またそのエビデンスは信用できるか⑤記事・情報が扱っている内容について、別の説明の仕方や理解の仕方はあるか-などを挙げた。

「調査報道は面白い」

カテゴリー: ジャーナリズム

2017/09/04  22:37


 

ダグ・ハディックスIRE事務局長

 

マット・ゴールドバーグIRE理事長

 

日本に足りないのはシンクタンク、インテリジェンス、それにジャーナリズム。トランプ米政権はエリートからすれば笑止ながら、これら民主主義にとって欠かせない3つを持っている。シンクタンクは経済界が支え、自分とは考えが違っても、経済的に一休みできる場所を提供してくれる。政策を立案し、必要に応じて実務家をまるで回転ドアのように政権に送り出す。

インテリジェンスは「諜報」も意味するものの、要は知性、知能、理解力。単なるインフォメーションは情報にすぎないが、掘り下げた情報こそインテリジェンスだ。米国はバカでも大統領になれる。ブレインがしっかりしているからだ。それを支えているのがインテリジェンス。

ジャーナリズムは民主主義の砦だ。これがなくなったら国は終わりだ。既得権益におもねった既成エスタブリッシュメントは厳しい批判を浴びてはいるものの、真実は必要だ。知識とスキルを備えた記者を育てなければならない。

第20回報道・実務家フォーラム東京セミナーが9月4日、早稲田大学小野記念講堂で開かれた。早大大学院政治学研究科ジャーナリズムコース、取材報道ディスカッショングループ、認定NPO調査報道アイ・アジアの主催だ。

米調査報道記者・編集者協会(Investigative Reporters and Editors Inc.=IRE)は1976年にジャーナリストの有志によって設立された。本部はミズーリ州に置かれている。主要メディア、フリーランス、ブロガー、研究者、学生を問わず、調査報道を志す誰でも参加できる。メンバーは5500人を超え、ジャーナリズムの団体としては全米最大といわれる。2017年6月22-25日にアリゾナ州フェニックスで行われた大会には、1600人が参加し、活発な議論が行われた。

元NHK記者で調査報道を専門とする認定NPO「iAsia(アイ・アジア)」編集長の立岩陽一郎(たていわ・よういちろう)氏は今年のIRE大会について、トランプ政権の誕生でフェイクニュースに関心が集まっていることなどから過去最大の1600人を超えるジャーナリストやメディア研究者が参加。ダグ・ハディックス事務局長に「米国のジャーナリズムのついて明るい展望を持っているのか?」と聞いた。

事務局長は「希望と不安が半々というのが正直なところだ。もっと厳しい状況がくるかもしれない」としながらも、「この大会を見てほしい。これだけの人が参加して、みなつながりを持っている。ジャーナリストは米国憲法に守られた存在だ。ジャーナリストが健全な民主主義に不可欠なことを米国民は理解している。だから、私たちはそれを信じて、さらに前に向かっていかなければならない」と答えた。

日本も状況は変わらないと立岩氏は述べた。

41年前の6月、フェニックスで地元紙アリゾナ・リパブリックの記者が車に仕掛けられた爆弾で爆死した。記者は地方政治とマフィアの癒着を取材していた。この日に情報源に会う予定だった。事件の捜査は進まず、迷宮入りかとも思われた。その時、全米からアリゾナにジャーナリストが集まった。警察も行政も動かない中、一つ一つ証拠を固め、最後に犯人を割り出した。「アリゾナ・プロジェクト」の呼び名でジャーナリストに語り継がれている。

発足したばかりのIREが主導したものだった。

「You can kill journalists,but you cannot kill sotories」(記者は殺せる。しかし、記事は殺せない)

日本は文化の違いもあって米国のような活動は行えない。記者も段々、大部屋方式からブース方式に変わり、個別化してきている。各社が孤立化し、各社の動きがつかめない。そんな記者クラブの在り方も含めて分断されている。

双方向の関係を改めて築く必要がありそうだ。「市民を含めたコラボが必要な時代に来ている」。これは日本だけでなく、世界でも同じだ。ジャーナリストはどの国でも似た匂いを持っている。アミーゴだ。

共同通信編集局特別報道室編集委員の澤康臣氏は主催者の1つ、取材報道ディスカッショングループを主導している人物の一人。同グループは2007年11月に誕生した。

「私たちが目指すのは、ニュースを面白くするための白熱教室。取材と報道にあたっての実務的な課題、問題点を現実に即して提示し、具体的な解決への手掛かりを見つけていこうと思っている」(澤氏)。現場で悩む本人の言葉にはうなずくものが多かった。

 

フォーラムが終わったら、外はもう暗かった

 

フォーラム終了は18時30分。外に出たら暗かった。小野記念講堂は前の学生会館のあった場所。大学の周辺も様変わりしていた。

 

企画=発見×発明

カテゴリー: ジャーナリズム, 映画/テレビ/舞台, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

2017/05/29  21:07


 

授賞する協会会長のほうがえらそう

 

こちらがきちっと撮ったものです(日本記者クラブ撮影)

 

映画プロデューサーで小説家の川村元気氏(38)が日本記者クラブの総会記念講演会で話した。川村氏は「告白」「悪人」「バケモノの子」「君の名は。」「怒り」などの映画を製作。2011年に優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を最年少で受賞した。

著書に小説『世界から猫が消えたなら』『億男』『四月になれば彼女は』の3冊がある。「とりとめがない」というのはよく言われる。各作品はてんでバラバラで統一性がない。絵本作家でもある。

総会記念講演会では「面白さの『発見』組み合わせの『発明』」の演題で話した。日本映画のヒットメーカーとして多大の功績のあった人物だ。この彼が上智大学文学部新聞学科出身のジャーナリスト志望だったことを知って、びっくりした。記者的な部分も持ち合わせている。

「自分は文系人間で、数学や物理に対してコンプレックスを抱いており、それをもって映画の仕事に就いた人間だが、理系の魂を持った人たちがこの世界はどう変わるのか、何が必要となり何が必要ではなくなるのかを聞いて回る仕事をした。スティーブ・ジョブズや・・など。分かりにくい。それを文系の言葉で読み解いていこうと考えた」。

私の基本は企画。何を企んで、みんなと作っていくか。企画の仕事は料理と似ている。良い素材、その組み合わせを作るのが企画だ。ベストセラーの映画化でもこけているのはいっぱいあるし、良い俳優が出ても賞にかすりもしないものもたくさんある。

映画の基本は怖い、笑える、泣ける。その上で、なぜその要素が今の時代に必要なのか時代性を考える。新聞の一本の記事や広告などに存在すると考えている。

やはり面白いものからテーマを見つけるところしか始まらない。「発見」の感動だけで作られていることが多いのではないか。人に強く伝わるものになるためには発見を「発明」することが必要だ。ダークなものをリッチにする発明。

 

ベネズエラを揺るがしてきたフェイクニュース

カテゴリー: 【メディアリテラシー研究】, ジャーナリズム

2017/05/25  22:59


 

プレゼンするベネズエラのイシカワ駐日大使

 

世界を揺るがせているフェイクニュース(偽ニュース)。何が本当なのか誰も分からない。裏付けもなく「これが真実だ」と言い張り、証拠も挙げない。だからそれが本当に真実なのかも検証するすべがない。真理はヤミのままだ。

それを世界最大の権力者である米大統領がやるのだから、驚きである。びっくりする。ツイッターは反論を許さない。だから言ったきりで、それがウソの場合、ウソの事実がずっと垂れ流しになる。

2017年1月30日に「”フェイク・ニュース”の脅威」と題したNHK BS1 「キャッチ!世界のトップニュース」がその実態を暴いた。それによると、2016年の米大統領選挙において、「ローマ法王がトランプ氏を支持」「クリントン氏がイスラム過激派組織に武器を売却」といったフェイクニュースが拡散し、選挙戦を妨害したと報じられた。

また、フェイクニュースが事実を装う手口も巧妙で、アメリカの大手メディアの中には、偽の情報をうのみにして報道し、その後、謝罪する事態も起きている。『フェイク・ニュースはどのように作られ、広がっていくのか?』

「J-WAVE」をradiko.jpのタイムフリーで聞く

カテゴリー: ジャーナリズム

2017/03/30  12:55


 

radiko.jpのタイムフリー機能は便利だ

 

radiko.jpのタイムフリー機能は便利だ。聞き逃した番組をもう一度聴けるタイムフリー機能を活用できる。タイムフリー機能を使えば、過去1週間以内に放送された番組が自由自在に聴ける!どこの番組でもOKだ。

AMでもFMでも問題ない。テレビはオンデマンドだ。TBSのLEADERSⅡやNHKのオンデマンドはしばらく契約して、文明の利器を楽しんでいた。このごろ享受しているのがFM「J-WAVE」の夜のトーク番組「JAM THE WORLD」だ。

月-金の毎日20-22時間、いろんなゲストを呼んでトークする番組だが、このところ面白いと思っているのは月曜の津田大介氏。メディアジャーナリストだが、その中で20時55分-21時25分の30分から行われる「BREAKTHROUGH!」は面白い。  

「月イチあずまんリターンズ!」
ゲストはお馴染みの作家・思想家である東浩紀(あずま・ひろき)氏だ。
 このところメディアの報道は、学校法人「森友学園」(大阪市、籠池泰典理事長)の小学校校舎払い下げ問題一色だが、これについては安倍政権が圧力をかけていたかどうかが本質的な問題であるとし、補助金不正受給などは枝葉の問題であると指摘した。
 本質的な問題が次から次へと枝葉に波及し、本来報道されるべき問題が報道されないのはおかしいと強調した。とりわけ南スーダンの活動報告である日報を隠したり、破棄したりしたことについて、「太平洋戦争の記録など基礎資料も全て廃棄されている。米国のように基本はすべて保存し、40年、50年後に公開する仕組みを作るべきだ」とし、基礎資料を隠蔽・破棄する日本文化の奥深いヤミにこそ問題があると指摘した。

『デジタル・ジャーナリズムは稼げるか』

カテゴリー: ジャーナリズム, Books

2016/09/03  13:16


 

本の監修を茂木崇氏の解説をyoutubeで聞きながら考えた

本の監修を茂木崇氏の解説をyoutubeで聞きながら考えた

 

書名:『デジタル・ジャーナリズムは稼げるか』(メディアの未来戦略、原題『GEEKS BEARING GIFTS』)
著者:ジェフ・ジャービス(ニューヨーク市立大学大学院教授)
出版社:東洋経済新報社(2016年6月9日発行)

 

著者のジャービス氏はニューヨーク市立大学大学院教授。メディア事業、ジャーナリズムの未来に関する論客でメディアとコミュニティーの新たな関係について頻繁に発言している。メディア/テクノロジー関連のブログ「BuzzMachine.com」を運営している。

起業ジャーナリズム(アントレプレニュリアル・ジャーナリズム)を主導してきたジャービスが近年の思索と実践をまとめたものだ。「その場限りのつじつま合わせではなく、長期的な視点に立って本質的にジャーナリズムを発展させたいと願う人にとって、多くの知恵を得られる必読の書」(監修者・茂木崇氏の解説)だ。

平易な訳文ですらすら読めたが、それでも自説を400ページにわたって展開する大学教授の本を読み通すのはしんどかった。2200円+税=2376円と安くもなかった。しかし、テーマは重要だ。

ジャービス氏は、「メディア企業はもはや従来のような垂直統合型の企業のままではいられない。ベンチャーキャピタルをはじめ投資家たちもメディア・ビジネスへの出資には消極的になっている。また、従来型ジャーナリズムの構造は今の時代では非効率すぎる」と指摘しながらも、「本書ではジャーナリズムの未来を予測するつもりはないし、できない」とし、「ただ次にどのような未来を作ることができるかを考えてみたい」と述べた。

読み終えたが、正直分かったようで、今一つ分からなかった。日米でジャーナリズム事情に違いがあるだろうし、ジャーナリズム改革の点では米国のほうが先行していることもあるほか、コミュニティーに対する認識もかなり差があることも関係しているように思える。

ジャーナリズムとは、「コミュニティーが知識を広げ、整理するのを手助けする仕事」ということになる。そして、狭い定義では、「ただ何かを知らせるだけでなく、何かを主張するのがジャーナリズムだと私は考える」。

・ものの価値には矛盾がある。アダム・スミスは「水は人間が生きる上で不可欠なものだが、ダイヤモンドはそうではない。なのにダイヤモンドが水よりはるかに価値が高いことになっているのはなぜか」という問いを投げかけている。情報の価値設定にも、同じような矛盾がある。社会にとって不可欠と思える情報は、なくても困らないエンターテインメント作品よりも当然、価値が高いはずである。にもかかわらず、その価値の高い情報を売るジャーナリズムがビジネスとして成り立ちにくいのはなぜだろう。

・価値ある情報を高く売ることが難しいのだ。ジャーナリズムの役割は人々に多くの情報を提供するところにある。だが、情報というのは、短時間のうちに陳腐化してしまう。エンターテインメント作品は違う。唯一無二の魅力を持った作品は時間が経っても色褪せることなく人を惹きつける。ジャーナリズムもエンターテインメントも、「物語」を基礎にしている点では同じだが、前者は情報を売りものにし、後者は魅力を売りものにしている点が違っている。

・情報の市場における価値は低い。いったん発せられた情報は、通常はその後、自由にやりとりすることが可能だからだ。新たな情報が伝えられると、すぐに価値を失い、また新たな情報が伝えられる。

・情報は誰かが所有できるものではないし、また所有してはならないものである。著作権法でも、単なる事実についての情報・知識の所有権は保護されない。保護されるのは、情報、知識の「使用方法」の所有権だけである。情報自体に所有権が認められると厄介なことになる。権力者が、何を知ってよく、何を知ってはいけないかを指示することも可能になってしまうからだ。

・私は何も情報が無価値だと言いたいのではないし、常にタダで手に入ると言いたいのでもない。情報を集めようとすれば、多額の費用がかかることも多いのは確かだ。しかし、社会に情報を伝え、広めるのがジャーナリズムの使命である。ジャーナリズムは情報を自由に行き来させなくてはならない。情報を所有し、代金を支払わないと渡さないというのでは、その使命に反することになる。

・エンターテインメントはジャーナリズムとはまったく異なったビジネスであり、法律での扱いも異なっている。エンターテインメントは、知識やアイデア、創造性を駆使して、独自に何か新しいものを作ることで成り立っている。作った人は成果物を所有でき、どう使うかを自ら決めることができる。誰の理由を許可するか、またどのような利用を許可するかも決められる。有料の壁の後ろで、著作権に守られ、繁栄することができる。

・ジャーナリズムにおいては情報を伝えるための手段として物語を使う。エンターテインメントの物語は人を楽しませるためのもので目的が違うが、どちらも物語を使う点では同じである。・・・だが、正直に言って、ニュースの物語はあまり面白くない。しかし、日々のニュースは、知っておくべき重要な情報は決して楽しめるようなものではない。エンターテインメントのビジネスモデルはジャーナリズムには適用できないのだ。

・ニュースとエンターテインメントは「物語」という形式を共有してはいても、それは両者で同じようにビジネスができるということを意味しない。有用な情報を提供できるというのは、今でもジャーナリズムの強みではあるが、ただ情報を物語りのかたちで提供して対価を得るというだけの方法で収益をあげることは難しくなってきている。他の方法を模索しなくてはならない時が来ているのだ。

ジャーナリズムは今後、コンテンツを作って売るというやり方をやめ、サービス業に生まれ変わるべきだ。人々が自分の目標に向かって行動する、その手助けができるような事業を展開すべきだろう。情報に金を払う人は確かにいる。ブルームバーグやトムソン・ロイターの顧客がそうだ。だが、その場合、売っているのは情報というよりもスピードということになる。価値がなくなるのも速い。

・どのような情報でも簡単にリンクを張ることのできる時代になって、ジャーナリスト、メディアと一般の人々との関係が以前とは違ってきている。それをよく認識しなくてはならない。新たなビジネスモデルは、状況が変化していることを十分に知った上で、さらなる調査、実験を多数重ねることではじめて発見できるだろう。私が提案したいのは、金銭ではなく、「価値」に注目することである。価値の新しい評価基準も見つける必要もある。

・今、メディア企業は物語の評価を誤っている。ユニークユーザー数、ページビュー数に価値を置きすぎだ。本来、評価すべきでないものを評価している。従来のマスメディアの基準をそのままデジタルの世界に持ち込んでいるためにそういうことが起きる。コンテンツを何人が利用して、どのくらいの時間を費やしたのか、リンクはどのくらい張られたのか、というのはどれもメディアを中心に据えた基準だろう。突き詰めれば、ユーザーが自分たちの活動やコンテンツにどのように関わったか、というものばかりだからだ。

・価値基準は他にも色々と考えられるはずだ。ジャーナリズムの使命をどの程度果たせたのか、社会にどの程度の影響を与えられたのか。そういう観点で価値を評価する。メディアの側ではなく、サービスを受けるユーザーの側から見た評価をすべきだろう。どれだけニーズを満たせたのか。個々のユーザーの目標達成にどれだけ役だったのか。

・コンテンツの作成から始まるジャーナリズムではなく、人々の声を聞くことから始まるジャーナリズムに変わらなければ、評価は高まらない。皆が何を欲しがり、何を必要とし、何を目標としているのかを知らなくてはならない。ユーザーの声に応え、役に立つ活動をするほど高い価値があるということになる。

・これからの時代は、ニュースはそれぞれに対象の分野や地域を絞り込んだ多数の企業で構成されるエコシステムから提供されるようになる。エコシステム内の企業は規模もビジネスモデルも設立理由も様々である。かなり混沌とした状況になり、どのようなニュースを受け取るかは人によって大きく異なることになる。以前のように、誰もが一斉に同じニュースを受け取るわけではない。

・しかし、ニュース、情報への需要はこれからもますます増え続ける。人々が情報を共有する手段は過去に例のないほど増えている。ニュースの供給源が多くなるのは必然だ。だから、ジャーナリストはより必要とされる存在となり、ビジネスチャンスは必ず増えると私は見ている。それを信じていなければ、大学でジャーナリズムを教えたりはしない。

・私にできるのはこのくらいの控えめな予測だけだ。他にできると言えば、提案くらいなものだ。ジャーナリズムはマスメディアであることをやめ、また単なるコンテンツ制作者であることもやめるべきである。そして、個人、コミュニティーとの緊密な関係、協力関係を基礎としたサービス業になるべきだ。ジャーナリストは自分が何かを言う前にまず、人々の声に耳を傾ける。ニーズを満たし、人々が目標を達成する手助けをする。過去の常識、定説はことごとく疑うべきだ。グーテンベルク以来続いてきた文化はもはや時代遅れとなり、大量生産、大量消費時代のメディアのあり方はもう通用しない。ただコンテンツを作り、同じものを皆に一斉に提供すればいいという時代は終わった.今後の情報化社会で使命を果たす為の手段はギークたちが数多く提供してくれている。彼らの提供する新技術を積極的に利用するつもりになれば、ビジネスチャンスはいくらでもあるだろう。

 

 

本書の監修者で解説もしている東京工芸大学専任講師の茂木崇氏は、7月26日、日本記者クラブで行った研究会「デジタル・ジャーナリズムは稼げるか-メディアの未来戦略」で、記者の質問に答えた。

同氏は「マスコミは崩壊した」としながらも、「マスは崩壊しても無くなったわけではない。規模が縮小している。みんなの関心がバラバラに広がっていく。20世紀が特殊な時代だった。それが元に戻った」との認識を示した。

今後のジャーナリズムについて茂木氏は、「過渡期を耐えて模索するしかないというのが私の意見。迷いながらやっていくしかない。貧しくても志を高く持つしかない」とした上で、「ジャーナリズムの今後は、段々演劇界に近づいていくと思っている。芝居の世界は儲からなくても好きだから人が集まってくる業界。食えなくてもバイトしながらやる世界だ。ジャーナリズムも段々そういう世界になっていく」と述べた。

「今は高い給与だから入社した既存メディアの人がいて、何とか平々凡々に定年を迎えられないかなということがあって、ジャーナリズムの改革を阻んでいるところがあるが、本当に志を持った人だけが集まる世界になっていけば、逆に純化されて底を打つこともあるんじゃないか。そこに期待している。あまりにも貧乏すぎて、ジャーナリズムの火が消えることの方が現実としては起こりそうな感じがするが、何だかんだと言って演劇もコンテンポラリーダンスにしても人は集まるので、ジャーナリズムという仕事は面白いですね。面白いので人は集まる。新しいテクノロジーが出てきたときはそれを利用したもの勝ちなのは確かであって、facebookやtwitterでも、現場から情報を発信できるようになったんだから、それを利用して陣地を築いた人が勝ちになる。新しいものに飛びついて何かやってみようというジャーナリズムの視点はとても大事」

ジャーナリズムの将来について明確な展望を示すことは茂木氏はできなかったが、「新しいものに飛びついて何かやってみよう」という視点は最もジャーナリストが必要な部分なので、元気をもらった気がした。

Nスペスクープドキュメント『北朝鮮”機密ファイル”知られざる国家の内幕』

カテゴリー: ジャーナリズム, 政治/外交/国際/軍事, 映画/テレビ/舞台

2016/06/05  23:59


 

機密ファイルはUSBで手渡された

機密ファイルはUSBで手渡された

 

NHKは北朝鮮の内幕を記した1万2000ページに及ぶ軍の”機密ファイル”を独自に入手。世界の専門家や元北朝鮮軍の関係者らとともに徹底分析した。

 

ファイルは1万2000ページに及んだ

ファイルは1万2000ページに及んだ

 

若き指導者はどう国家を操っているのか?

若き指導者はどう国家を操っているのか?

 

一糸乱れぬ軍のパレードは練習の成果

一糸乱れぬ軍のパレードは練習の成果